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絶狼〈ZERO 〉MAGIC BLOOD
闇斬
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だが……。

「だからその布道レオに頼まれたんですよ 」

俺は綺羅が差し出した紙を受け取り、魔導日を翳す。
青色の魔導火が紙に引火し、徐々に文字が浮かび上がってくる。

それは間違いなくレオから俺に向けての手紙……。
「綺羅は自分が尊敬し、信頼できる優秀な魔戒法師の一人」だと記してある。
そして元老院から与えられた指令で手が離せないので、協力できずに申し訳ないという謝罪と綺羅を推薦すると言うことで文面が締めくくられていた。

だが、俺は信頼できる奴にしか背中を託したりはしない。
突発的に現れた魔戒法師なら尚更、一人で行動した方が遥かに安心安全だ。

そしてヒョコッと扉の隙間から顔を出したのは昨日の魔法使いの女子高生だが、一瞬、誰か分からなかった。
それと言うのも、昨日はブレザーの制服だったが今日は週末で学生は休みだからか、紺色のジャケットにミニスカート姿の私服で少し印象が違ったからだ。

「お前は昨日の魔法使い……何でここにいる?」

「昨日の事を謝りたくて、綺羅さんに連れてきてもらいました 全部、綺羅さんから魔戒騎士やホラーの事聞きましました 涼邑零さん……あ、あのぉ……昨日は本当にごめんなさい!」

深々と頭を下げる魔法使いの女の子に俺は慌てふためく。

「おいおい、ヤメロッて……頭を上げてくれよお嬢さん……君の名前は?」

「私、稲森真由って言います!」

「真由ちゃんか……まぁあの状況だったし勘違いするのもない 真由ちゃんには全然怒っちゃいないさ」

そうだ……今、俺は真由ちゃんに怒ろうなんて言う気はない。
俺の怒りの矛先は綺羅と言う魔戒法師に向かう。

「綺羅、目的は何だ?……何故、魔戒に関係ないこいつに俺たちの事まで教えてまで連れてきた?」

確かに真由ちゃんは魔法使いでファントムと戦っている……つまり立場的に一般人よりはどちらかと言うと俺たちに近い。
しかし戦いのフィールドが全く違ううえに魔戒騎士やホラーの存在も知らなかったはず……そんな人間にましてや魔戒法師が魔戒の知識を教えるなんてもっての他だ。

「この娘があの後、どうしても貴方に謝りたさそうにしてたから人助けですよ」

「あの後だと?……お前、つけてやがったのか?」

「これから一緒に組む相棒がどんな騎士か少し見てただけですよ」

「だからお前とは組まねぇって 勝手に決めんなよ」

開き直りながら、使われる敬語が余計に俺をイラつかせる。
綺羅は挑発することに関しては数いる魔戒法師の中でもきっと一、二を争うだろう……。
益々信用できない気持ちが大きくなっていく……。

「じゃあ何かを貴方は掴めたのですか?」

「まるで自分は何かを知ってるかのような言い方だな?」

「えぇ 勿論です
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