第2章:異分子の排除
第40話「女子会」
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「それは....まぁ...。」
「世間は束を“天才”と持て囃しているが...私からすれば、束は災害の方の“天災”だな。もちろん、桜もだ。だからこそ、行動が読めない。」
自然災害というのは、大抵突発的に起こる。
まるでそのような災害みたいなものだと、千冬は例える。
「まぁ、あれでも根は善だ。場を引っ掻き回すのが多々...というか確実だが、それでも最悪の事態は回避する奴だからな。」
「...その割には、気まぐれでボクとお父さんを助けた上で会社を潰しましたけど...。」
「気まぐれで救われる程度には気に入られると思っておけ。あいつ...と束は敵に対してはこれ以上ないくらいに残酷になるからな。」
現に、一夏がその標的になっている。
「...そういえば、あたしの洗脳を解いたり、色々とおかしな事を言ってたけど...。」
「ああ、その事か。...実は私も詳しくは知らされていない。洗脳やそれに関した事は聞かされたが、肝心な事は言わなかったからな。」
鈴の質問に、千冬はそう答える。
「だが、わかっている事もある。...あいつは、今言った洗脳に関する事だけは、本気で取り組んでいる。...そこまであいつを真剣にさせる程の何かがあったという事だろう。」
「あー、そういえば確かに。桜さん、洗脳を解こうとする時だけは真剣だったなぁ...。あの人、基本お気楽思考でいるから、今思えば結構凄いよね。」
千冬の言葉にマドカも賛同する。
「まぁ、そのうちあいつ自身の口から話すだろうさ。」
「...それは、幼馴染としての勘ですか?」
「...まぁな。」
そういって千冬はもう一口、ビールを飲んだ。
「...せっかくだ。あいつの本当の苗字を教えておこう。」
「苗字...ですか?」
どういう事だろうか、と箒たちは考える。
ちなみに、マドカとユーリ、ラウラは知っているため、黙って様子を見ていた。
「篠咲とあいつは名乗っているが...それは偽名だ。ついでに言えば、ワールド・レボリューションの社長である篠咲有栖とやらも偽名だな。」
「え、ええっ!?」
まさかの会社の社長が偽名だという事に、それを知らなかった箒たちは驚く。
「あいつは、一応世間上は死んだ事になっているからな...。おそらくそのためだろう。」
「じゃ、じゃあ本当の名前って...。」
「...神咲桜だ。世間上では、あいつは幼い頃に事故死した扱いになっている。」
“事故死した扱い”というのに、ふとラウラは引っかかる。
「...実際は、どうだったんですか?」
「事故の事か?...まぁ、実際にあいつは事故に遭った。束を庇ってな。そして助からない程の傷を負った
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ