第2章:異分子の排除
第40話「女子会」
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を聞き終わり、千冬は一度目を瞑って何かを考える。
「...あまり人前では見せないが、秋十は途轍もない努力家だ。才能はからっきしだが、それを補って余りある程の努力を積んでいる。それが今の秋十を構成している。それは分かるな?」
「...はい。よく、知っています。」
千冬の言葉に箒が返事する。
箒は幼い頃に秋十の努力している姿を見ていたので、とても共感できたのだ。
「今ではあいつのおかげもあってか、万能とも言える程となった。そして、秋十の一番の長所は“諦めない”事だ。...きっとあいつと居れば、どんな逆境も乗り越えられるようになるぞ。」
「...凄く詳しいですね...。」
「当然だ。あいつは私の弟だぞ?」
シャルロットの言葉に当然のように返す千冬。
しかし、その言葉は事情を知らない者に対して再び驚きをもたらした。
「あ、秋十さんが織斑先生の!?」
「ん?気づかなかったのか?一夏と容姿が似ているだろうに。」
「そこまで隠そうとしてなかったけどなぁ...。」
あまり隠そうとしていなかった割りには、セシリアとシャルロットには気づかれていなかったようだ。
「まぁ、とにかくだ。あいつは努力家な上、家事もできる。傍においておけば自分自身も磨かれるだろう。...欲しいか?」
「「く、くれるんですか!?」」
「やるか。阿呆。」
“もしかしたら”と思う箒と鈴を、千冬はばっさりと切り捨てる。
「...欲しいのなら奪ってでも手に入れて見せろ...だね?」
「よくわかっているじゃないか。」
千冬の意図を理解して呟いたマドカに、千冬は不敵に笑いかける。
「そしてあいつが気になっているエーベルヴァインにも同じ事は言えるな。」
「...望む所です。」
「そうこなくては...。」
静かに火花を散らせるユーリと千冬。
「え、えっと...あの...。」
「...恋バナって、こんな殺伐としてるものだっけ?」
傍から見れば恋のライバル同士が睨み合っている風にしか見えないと、シャルロットはついそう思ってしまった。
「...あ、そういえば...織斑先生、桜さんについて色々と聞かせてもらえますか?」
「ん?なんだ藪から棒に。」
ふと、思い出すようにシャルロットは千冬に聞く。
「いえ...桜さん、掴みどころがないというか...行動が読めないので...。」
「ふむ...この際だ。少しは聞くといいだろう。」
話し始めに一口飲んだビール缶をもう一度煽り、千冬は話し出す。
「まぁ、まず始めにあいつの行動は完全には読めないものだと思え。あいつ...それと束は天才だ。それはお前たちもよくわかっているだろう?」
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