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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
834部分:第二百二十九話 最後の戦いその七

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第二百二十九話 最後の戦いその七

「貴様等の勝利だ」
「そうか」
「嬉しいか」
 その死相で問うてみせた。
「そのことが」
「生憎だが嬉しいと思わない」
 しかしシオンはこう言うのであった。そしてそれはだ。
 黄金聖闘士達も同じだった。皆寂しい様な顔をして述べた。
「決してだ」
「それは何故だ」
「アーレス、若し貴様がだ」
「私がか」
「ただ邪悪だったなら喜んでいた」
 これがシオンのアーレスへの言葉だった。
「野心だけでこの地上を征服したいのならばだ」
「それならばか」
「その時は勝利を喜んでいた」
「しかし違うというのだな」
「そうだ、貴様はそうではなかった」
 このことを指摘するのである。
「果てに見ているものがあったからだ」
「オリンポスの神々へのことか」
「憎しみ、そして怒り」 
 彼等に対するだ。そういった感情をである。
「それを知ったからだ」
「聖闘士はそうした感情を否定するのではなかったのか」
「如何にも」
 シオンはそれについてはその通りだと答えはした。
「しかしだ、そこに至った経緯も知った」
「それもか」
「アーレス、貴様は邪悪ではない」
「邪悪と言われても結構だがな」
「しかし邪悪ではない」
 シオンはあくまでそこを指摘するのだった。
「だからこそだ」
「そうか、だからか」
「我等は喜びはしない」
「私に勝った今でもか」
「まだ。戦うことになる」
 ここまで話してであった。やがて、遠い未来に起こる聖戦のことも述べるのであった。シオンも黄金聖闘士達ももうそれを見据えていた。
「その時にまた会おう」
「その時こそはだ」
 アーレスはその血を流している口で述べた。
「今度こそ。オリンポスの神々をだ」
「倒すか」
「私がどうなろうと倒す」
「どうなろうとか」
「そうだ、倒す」
 ふらつきそうになる足をだ。何とか保っていた。
「何度でも戦い。そうしてだ」
「その為に地上を制圧したいのか」
「アテナ、あの者が私の邪魔をする限りはだ」
 強い怒りと憎しみはまだ目にある。そうした意味で彼の目は死んではいない。
「その限りはだ」
「ならば我等ともまた戦うか」
「この地上を私の色に染め上げることも忘れてはいない」
 これもであった。
「それもだ」
「では。また会おう」
 ここまで聞いてまた告げたシオンだった。
「その時にだ」
「そうだな、またな」
 アーレスは今度はだ。微笑んでいた。
「また会おう、戦士達よ」
「戦士達か」
「我等を認めるか」
「如何にも」
 その通りだというのである。

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