第二十七話 戦いのはじまりその十三
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「論戦を挑むことにする」
「新教徒達に」
「近いうちに」
「そうする、そして王の周りを我等で固め」
「やがてはですね」
「お妃様との間のお子をですね」
「次の王にしましょう」
側近達も言う、そしてだった。
太子達も即位の儀に出席した、彼はこの時もマイラの横にいた。そしてそのマイラとマリーもだった。二人共。
摂政となった、二人は王の後ろそれも左右についた。そうしてだった。
即位の儀は新王と二人の摂政を任じることになった、壮麗なその儀の後でだ。
マリーが新王の手を引いてマイラが彼女の横にいて民衆の前に出た。民衆はその王と二人を観て歓声をあげたが。
しかしだ、その中で思った。
「やはりマリー様だな」
「あの方だな」
「あの方がこの国を導かれる」
「やはりそうなる」
このことは彼等も思った、貴族達程はっきりとではないが。
「マリー様だ」
「マリー様が遂にこの国を導かれる」
「王ではないが主だ」
「実質的な」
そうした存在であることを意識した、そうして。
彼女に最も強い歓声を贈った、そのうえで。
マリーは彼等に推される様にして王宮に入った。常にいる王宮であるが摂政としてははじめて入った。その後で。
王の間に入るとだ、マリーはこれまで自分が手を引いて共に歩いていた王を玉座に据えてだった。自らはマイラと共にだった。
王が座る玉座のすぐ後ろに立った、この国の新しい形がはじまったことが今内外に知らしめられたのだった。
その式典にはセーラとマリアも参列していたが。二人にそれぞれだった。
「お姉様からですか」
「お会いしたいと」
「はい」
まずは二人が王宮に呼ばれてだ、使者に告げられた。
「これより」
「だから私達は今ですね」
「王宮に呼ばれたのね」
「そうです」
まさにその通りだというのだ。
「ですから」
「そうですか、それでは」
「今から」
「お会いして下さるでしょうか」
使者は二人に頭を下げたまま是非を問うた。
「これより」
「断る理由はありません」
まずはセーラが微笑んで答えた。
「私としても」
「それでは」
「はい、是非です」
微笑みのまま使者に言うのだった。
「お姉様と」
「私もまた」
マリアも微笑んでだ、使者に答えた。
「その様に」
「はい、それでは」
「王女、いえ摂政と」
「有り難うございます」
「では今から」
「マリー様は中庭におられます」
そこにというのだ。
「そこでお会いになって下さい」
「では今から」
「そちらに」
「案内致します」
ここでだ、使者は顔を上げた。そして立ち上がってそのうえでだった。二人に端正な動作で案内をはじめた。
「中庭まで」
「あの懐かしい場所に」
「これから行く
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