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IS《インフィニット・ストラトス》〜鉄と血と華と〜
第三話 忌むべきシステム
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んな都合よく記憶が戻る筈がない、今すぐにでも抱き締めて再会を喜びたい……それなのに。


「私はどうすれば良い……一夏、お前ならどう行動した……」


彼女の声が悲しくも誰の耳にも届かず、その場に響いた。



一方そのころ、千冬と話していた束はというと……



「阿頼耶式……阿頼耶式。ほんと嫌悪感を覚えるシステムだね、無理矢理男にISを使えるようにするなんてさ」


ラボにてコンソールの前で、何やら呟いている束。


「けどそのシステムのお陰でミーくんは力を手に入れた……皮肉なものだねー……」


ふぅと軽いため息を吐いて背もたれに寄りかかり、視線を前に向ける。束が見ているコンソールの画面には三日月のIS、バルバトスのデータが映されていた。


「ミーくんが無茶してバルバトスの“あれ”を外さないか心配だけど、まあ何とかなるよね!」







購買を探している三日月は現在、迷子であった。再びさてどうしたものか、と歩きながら考えていると


「きゃあ!」


何やら悲鳴が。声の方を向くと緑色の髪に眼鏡を駆けた女性が書類を落として慌てていた。三日月は自然と身体が動き


「大丈夫?」

「ふえ?」


しゃがみ、一緒に書類を拾い始め、一纏めにし女性に手渡す。


「ん」

「あ、ありがとうございます……えっと、貴方は……」

「俺は三日月・オーガス」

「……三日月・オーガス……あ!男子の新入生ですね!」

「うん」


こくりと頷く三日月。


「ねえ、あんた菓子とか売ってる所知らない?」

「えっと、購買ですか?よければ案内しますけど……」

「それじゃお願い」


心なしか三日月が笑みを浮かべているように見えた。すると女性は何かにはっと気づき、コホンと咳払い。


「それと、“あんた”ではありません。私は『山田真耶』れっきとしたIS学園の教師なんですよ」

「へぇ、先生だったんだ。えっと……ダヤマヤマだっけ」

「“やまだまや”です!」

「どっちでもいいや、それよりその購買に案内してほしいな」


変わった少年だと真耶はため息を吐き、仕方なく三日月を購買へと連れていくこと。道中会話が一切なく、真耶は非常に気まずい空気立ったのは別の話だ。


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