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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic23-A新暦75年ミッド・プライソン戦役〜Outbreak of War〜
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を進めていた。そしてそれは突然起きた。

『『『っ!?』』』

1基のカプセル内の培養液が急速に凍結していって、議長である『デュランゴ!』の脳が氷の中に沈んだ。他2人の脳が収められたカプセル内に気泡が勢いよく発生する。先と同じ強い感情が現れているからだ。

『どういうつもりだ、リアンシェルト! 何故、デュランゴを!?』

『我々が何か機嫌を損ねるような事でも言ったのか、したのか!?』

「ええ、その通り。あの人を、ルシリオンを従わせる。これほど私をイラつかせる言葉はありません。これまでずっと耐えてきたけど、もう我慢なりません。あの人の大切なお友達であるすずかにも手を出そうとした。・・・これも良い機会でしょうし。そろそろあなた達には退場してもらいますね」

リアンシェルトがニッコリと可憐な笑顔を浮かべた。まるで穢れの知らない乙女のようだ。だがやっている事はある種の殺人だ。たとえ、相手が脳と脊髄だけと言っても。

『我々とあなたの仲ではないか! あなたの指示通りに我々は戦った! 次元世界を平定した! 時空管理局を作った! 最高評議会を生み出した! それを! あなた自ら捨てると言うのか! なんて、なんて勝手な・・・!』

『何故ルシリオンに固執する! あの少年とあなたとの間に、一体どのような関係があると!?』

リアンシェルトがその問いに答える前に、通信を知らせるコール音が鳴り響いた。彼女は断りを入れずに「はい」通信に応じた。展開されたモニターに映るのは少女で、その名は「レーゼフェア」だ。リアンシェルトと同じ“堕天使エグリゴリ”の1機で、プライソンとそれなりに親交のある少女。

『リアンシェルト。依頼どおりにコイツらを自殺に見せかけて殺しておいたよ』

レーゼフェアが陽気な声で、そんな物騒な言葉を吐いた。切り替わる映像に映るのは2人の初老の男性局員。執務デスクに突っ伏すような姿勢で、デスク上には血溜まりが出来ていた。彼らの手には拳銃が握られており、こめかみには銃創がある。一見すれば拳銃自殺だが、犯人であるレーゼフェアがすでに殺害したと自供済みだ。とは言え、その事実が公になる事はおそらく永遠には無いだろうが。

『ホドリゲス、フォーカス!?』

遺体の正体は、権威の円卓のメンバーの将校だった。

「あの2人も、あの人を利用しようとしていた。プライソンの暴露によって、どうせ先の無い人たちです。これまで甘い汁を飲んでいたのですし、もういつ亡くなっても問題ないでしょう。そしてあなた達もまた、もう利用価値の無い存在です。どうぞ先にお休みください」

『『待っ――』』

最後まで言い切ることが出来ないまま、書記トレイル、評議員リョーガの脳が収まっていたカプセルも凍結された。リアンシェルトは「安心してください。権威
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