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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic23-A新暦75年ミッド・プライソン戦役〜Outbreak of War〜
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は危険すぎではないか? 複雑かつ理解できない、あの突き抜けた思想・・・。我々はそれを危険と判断し、管理局から追放したのだから』

ミミル・テオフラストゥス・アグリッパ。ミッド北部に位置するベルカ自治領ザンクト・オルフェン、その北区カムランに居を構えている技術者だ。ベルカ先史時代、最も戦力と技術力の高かったイリュリア国の技術者の末裔とされ、融合騎の製作などを行える数少ない存在だ。

『我々と共に次元世界を平定した同胞リアンシェルトが連れて来たため、そのまま局に置いて初代技術部長に据えていたが。彼女への恩だけでは看過できないレベルだった。それほどまでにあの女、ミミルは危険だ』

『ではどうするのだ?』

僅かに沈黙が流れた後、『月村すずか』そう響いた。

『ツキムラ・スズカ?・・・ジェイルの取ったという弟子か!』

『まだ19と幼いが、ジェイルがその技術を叩き込んだと言うのは有名な話だ』

『しかしその者は、チーム海鳴のメンバーなのだろう? ルシリオンとの契約はどうする?』

最高評議会を始めとした権威の円卓の支配下に置かれる代わりに、チーム海鳴には手を出すな。ルシリオンとはそういう契約で関係が築かれている。それを反故にした瞬間、ルシリオンは徹底的に敵となり、今以上のまずい状況を運んでくる。ゆえに最高評議会は頭を悩ませる。

『いや待て。先に破ったのはルシリオンだ。機動六課襲撃時、奴は戦闘行為を執った。誰に許可を取らずに。それを餌にすれば、月村すずかの件も受けざるをえんだろう』

『違いない』

『では決定だな。プライソンの一件が片付いた後、ルシリオンを招集す――』

「随分、楽しそうですね。何かありました?」

最高評議会の話に突然割り込む女性の声。現れたのは『おお、リアンシェルト』だった。本局の運用部の一切合財を手中に収めている総部長にして少将の肩書を持つ、管理局最強の魔導師トップエースだ。そして最高評議会と共に次元世界を平定し、管理局を設立した最古参でもあった。

『うむ。ジェイルが脱獄し、しかもプライソンに殺されるというのは予定外だったが、奴とプライソンの技術を継承させる技術者を発見したのだ』

『月村すずか。彼女を新しく我々の顧問技術者として任命しようと思うのだ』

『ジェイルやプライソンに比べればまだまだ使えないだろうが、それはまだ経験の無さが原因。追々役に立ってくれるだろう』

「彼女はチーム海鳴の一員では? ルシリオンとの契約が――」

『先に契約を破ったのは彼だ。それを餌に、彼を従わせるのだ』

「従わせる? あの人を・・・?」

リアンシェルトの様子が変わった。顔を俯かせて肩を震わせている。最高評議会は彼女のそんな様子に気付かず、呑気にルシリオンとすずかについて話
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