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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百四十五話 華燭の宴
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この半月は本当に忙しかった。新婚旅行で明日から一週間居ないからな、やたらと決裁文書がこっちに回ってきた。俺が居ない間はメルカッツ副司令長官がいるんだから問題ないはずなんだが、どうもメルカッツ自身が俺が居るうちに決裁を取れと周囲に言ったらしい。デスクワークが嫌いな人って困るよ……。
だが本当に忙しかった理由は辺境星域の開発計画の作成だ。辺境から上がってきた要望書をもとに何から手を付けるかを決めたのだが、まあこいつが酷かった。決まるまでに半端じゃない時間がかかった。出来上がったのは三日前だ。
おかげで結婚式の事は全部ユスティーナに丸投げになった。つまりはジジイどもに任せたわけだ、多少不安も有ったがもうどうにでもなれ、そんな気持ちだった。
辺境星域の開発計画の策定、開発実施の管理は新領土占領統治研究室が行う事になっている。エルスハイマーとオスマイヤーが中心となり工部、財務、運輸、民生、自治から官僚が来て手伝うはずなのだが、官僚どもはどいつもこいつも金のかかる計画を嫌がるんだ。
政府は全面的に協力すると言う話は何だったのかと言いたくなる。リヒテンラーデ侯も当てにならん。エルスハイマーとオスマイヤーはリヒター達に抗議しましょうと言っていたが止めさせた。リヒター達も自分の仕事で手一杯で、こっちの事など頭にないんだろう。人を出したから終わり、後はそっちで上手くやってくれ、そんなところだ。
俺は宇宙港の拡張と発電所の建設を最優先でと言った。今辺境にある宇宙港はどれも皆規模が小さい。これから先開発が進めば物資の輸送、交易船の往来でパンクする。その前に拡張する、拡張すれば皆が政府は本気で辺境を開発しようとしていると認識するだろう。フェザーンの商人達の往来も増えるし、資本投下も増える。
発電所も同様だ、ライフラインを充実しておかないと開発なんて出来ない。逆に言えば、発電所を建設する、そう言っただけでその惑星に関心を持つ企業は現れるだろう。ついでに言えば宇宙港の拡張と発電所の建設、この二つでかなりの労働力を必要とするはずだ。
辺境に行けば仕事が有る、となれば当然人が集まる。人が集まればその人達が必要とする物資も集まる、そして金も動く。つまり経済が活性化するのだ、当然税収も増える。そう言って説得したのだが連中真っ青になって反対した。金がかかって仕方がないと言うんだな。貴族達が居なくなったんだからその分税収は増えているんだ。財政赤字も問題ないと財務省は言っている。それなのに……、官僚達は相変わらず辺境に対して偏見が有るらしい。
しかしだ、現実問題として辺境を開発しないとどうにもならない。フェザーンを占領し、同盟を保護国化する。最初はぐずつくかもしれんが十年も経てば安定するだろう。そうなったらいつまでも金食い虫の軍を肥大化させておくわけに
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