第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#43
FAREWELL CAUSATIONV〜All Round Attack〜
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【1】
『聖 光 爆 裂 弾・双 奏ッッッッッ!!!!!』
並み居る強者の死闘が局面を迎える中、
スタンド使いに成り立ての少女、その渾心の流法が
運命の灯火の如く時空を劈いた。
目標地点は高層マンションの最上部で妖しく蠢く結界型燐子
“ピニオン” 一つ一つに大した能力はないが複数集まり
周密なネットワークを形成するコトにより
強大な汎用性を宿すに至る正しく必勝の儀。
今回はソレを操るティリエル自身が主力として出てしまっているが
コレが完全なるサポート役、喩えば最大スタンド使いエンヤの後方支援等に徹すれば、
如何なるスタンド使い、フレイムヘイズ、 『組織』 や “兵団” で在ってすらも
打ち崩す事は不可能であろう。
故にシンガポール首都を囲むこの幻想大結界、
コレが敵味方共に “アキレス腱”である事は云うまでもない。
そしてその要所の一端にようやくメスが、
これまた敵味方共に “盲点” である
少女の想いで打ち砕かれる。
ヴァッッッッッッッギュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアア―――――――――――――――――
――――――――――――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!!!
敵の巣窟に入り込まないため、そして内部の人間を傷つけないために
発動させたスタンド流法は、特殊な波長で特化された波紋の如く壁面を伝わり、
標的である “ピニオン” のみを破壊せしめた。
宙を舞う大輪の花弁と千切れた蔓、
それが吉田 一美の身に豪雨のように降り注ぐ前に
形は山吹色の火の粉となり、元の存在力に還元されて消えていった。
「まず一つ! お疲れさまでした、ライトちゃん」
やるべき事をやり遂げた充足がそうさせるのか、
いつになく高揚した少女の声にスタンドが応える。
「でも、このままじゃ時間が掛かり過ぎてしまいますね。
大事なものの一つが壊されたら、当然あちら側も護ろうとする筈です。
あの花を壊すだけでも大変なのに、他の人と戦える余裕なんかありません」
腰元で帯がリボン状に結ばれた民族衣装を揺らしながら、
スタンド使いの少女はフムムと一考する。
以前の彼女にはない向上力と積極性、
承太郎に託されたという心情も拍車をかける。
だが彼女のスタンドは 『近距離パワー型』
水と水の間を転 移する、或いは自ら恐竜に変貌し、
群れを率いて襲い掛かる能力ではないため目的の完遂は困難を極める。
今までの彼女だったなら、大いなる困難を目の前に怯え上がり
「挑戦する事」 もしないまま出来ないと決めつけていた
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