シェリアの策
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と、二人の人物が何かを投げてきているのが見える。
「女か?両方とも」
「はい!!そのようです!!」
赤紫色の髪をした少女と茶色の髪をした少女。彼女たちはどうやら石を投じているらしく、投げ下ろされているこちら側は皆反撃に出れずにいた。
「全員下がれ。カラス!!」
「任せろ!!」
彼女の指示により前衛へと飛び出してきたカラス。彼は上から投げ下ろされてくる石を巨大ヌンチャクを振り回すことで全て弾き飛ばしてしまった。
「よくやった。奴等を捕まえろ!!」
「「「「「はっ!!」」」」」
攻撃が中断したことで一気に敵を捕らえようと駆け出す山賊たち。それを見た二人の少女は、大急ぎで村から離れていく。
「私たちも行く?」
「いや、それはやめた方がいい」
先程まで騒がしかった村が静まり返る。残されたうちの一人であるローレはエーメに問いかけるが、彼女は周囲を見回しながら何やら気難しそうな顔をしている。
「カラスの話じゃ六人だったはず。だが、今出てきたのは二人だけだ」
「そう言えば・・・」
カラスの言葉を信じるのなら、あと四人いるはず。そうなると考えられる手段はただ一つ。
「あの二人は囮なんじゃないか?」
意識を奇襲を仕掛けた二人に向けさせ、その隙に他の四人で攻めてくる。初歩的な戦法だが、ゆえに効果的なものとも言える。
「それに、私たちの目的はこの村を占拠しておくことだ。あいつらが村に攻め入ってくるまではあの雑魚連中に任せておけばいい」
仮に囮を使った作戦でなかった場合も大きな損害はないと計算しているエーメ。彼女は村に残っているカラスとローレ、それから数人の部下に指示を出すと、元いた家の中へと入っていき、何事もなかったかのように休憩し始めたのであった。
シェリアside
「待てぇ!!」
「逃がすなぁ!!」
逃げたあたしたちを追い掛けて来る山賊たち。彼らは予想通り村にいた戦力の大半をこちらに向けて動かしているらしく、かなりの人数がついてきている。
「セシリー、そろそろ」
「オッケ〜!!」
隣を走る少女に翼を出してもらい持ち上げてもらう。これでこっちの逃げるスピードはさらに増す。けど、狙いはそれじゃない。
「あいつ背中に羽生えてるぞ!?」
「構うな!!なんとしてでも捕まえるんだ!!」
案の定敵は速度が上がったあたしたちを必死になって追い掛けてくる。おかげで彼らは、注意が他のところには向かなくなっていた。
ビンッ
「「うおっ!?」」
しばらく走っていると先頭を付いてきていた数人が足元に張ってあった糸に引っ掛り転倒する。それに付いてきていたメンバーもドミノの
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