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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン64 蹂躙王と鉄砲水
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 壊獣捕獲大作戦(1)→(2)

「おいおい、800ダメージを回避するために攻撃力3000を裏にしたのか?甘いところは変わってねえな」
「冗談でしょ?僕には他にやりたいことがあったのさ。メイン2に魔法カード、太陽の書を発動。裏守備になったドゴランを表側攻撃表示に戻して永続魔法、壊獣の出現記録を発動。1ターンに1度場の壊獣1体を、デッキに眠る別の壊獣と入れ替える!チェンジ、ガメシエル!」

 にやりと笑いからかうように問いかけるユーノに笑みを返し、2枚のカードを連続発動させる清明。するとドゴランの姿が光の粒子となって消え、新たに呼び出されたのは巨大な亀のような形をしたモンスター。本来ならば守備的なステータスをもつガメシエルだが、ウォーターワールドの影響を加味して攻撃表示で呼び出されファイティングポーズをとる。

 海亀壊獣ガメシエル 攻2200→2700 守3000→2600

「ほらほら、わざわざドゴランより攻撃力が低いモンスターを出してあげたんだよ?来るなら来るでさっさと突っ込んできなって」
「言うじゃねえか……!」
「誰に似たんだかね!」

 今度はこっちの言い返す番だと言わんばかりにそう言ってのける清明の顔は、まるで憑き物が落ちたかのように晴れ晴れとしていた。つい先ほどまでの淀んだオーラからはまるでかけ離れたその表情に戸惑うユーノに、チャクチャルアがこっそり耳打ちする。

『やはりマスターは根っからのデュエリスト、ということだな。こうして戦い続けたことで、ほんのわずかにだが自我が強くなってきている。光の結社、デスベルト、そしてこの精霊世界とこのところ敗北は死か、そこまでは言わずとも何らかのデメリットのあるデュエルばかりだったから、今の精神世界でのデュエルは色々たまっていたものを解放するにはもってこいのいい機会なのだろう』
「なるほどな。要するに、徹底的にデュエルしてやりゃ機嫌がよくなるってことだな?わかりやすい奴」
『そう言ってやるな。つい数年前まで一般人だったマスターに、モチベーションも動機もないままに闇のデュエルを延々やり続けろというのは確かに酷な話だったしな。本人が気づいていなくても、ただでさえ蘇生してから色々と騙し騙しでどうにかやってこれた精神にかかる負担は相当な物だったろう。だからおそらく、その部分を取っ掛かりにして心の闇を無理やり広げられたんだろう。まったく、つまらん真似をしてくれる』
「……ふむ」

 何事か考えているのか、ユーノが生返事を返す。その瞳に、何かを決意したような色が見えた。

 ユーノ LP2000 手札:0
モンスター:グレイドル・アリゲーター(攻)
魔法・罠:グレイドル・パラサイト
     補給部隊
     補給部隊
     1(伏せ)
場:ウォー
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