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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン64 蹂躙王と鉄砲水
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たのは、他ならぬ清明本人の言葉だった。

「こんなもの、今すぐ……!」
「やっぱやめた。おいおい、穏やかじゃねえなあ。とりあえず少し落ち着けや」
「ふざけないで!ユーノは知らないんだ、この地縛神は昔、古代ナスカで……」

 古代ナスカ。その言葉を聞いただけで、何となく何があったのかを察しとる2人。

『あー……そういうことか。大体察したぞ』
「俺も。でもなあ、もう昔の話だし、第一この神さんのおかげで俺らは今生きてるんだぜ?そこんとこもよく考えてだな」
「ふざけないでって言ってるでしょ!もういい、まさかユーノまで5000年前に何が起きたのか知ってて僕に黙ってたなんてね。有難いことにここは僕の心の中らしいけど、わざわざ踏み込んでくるなんていい根性してるじゃない。今の僕はお前らの知ってた僕じゃない、2度と生きて帰れると思うな!」

 雑な反応が、さらに怒りを増幅させたらしい。お互いに内心お前のせいだと毒づくユーノと地縛神をよそに激昂して啖呵を切り、デュエルディスクを構える清明。現実世界では壊れて使い物にならなくなっていたはずのデュエルディスクだが、精神世界であるこの場所にその事実は通用しない。
 その全身からは本人は気づいているのかいないのか紫色のオーラが揺らめきだし、爆発寸前の感情が辺りに満ちる。それを見てチャクチャルアが、無駄と知りつつ説得を試みる。

『……確かに、私は私の過去についてマスターに何も伝えなかった。ダークシグナーがなんたるか、その根本すら教えなかった。それに関して弁解するつもりはない。だが、私は……』
「もういいぜ。どーせ何言ったって聞きやしねえんだ、だったら1発ぶん殴ってこっちの言うこと聞かせる方が楽でいいってもんよ。せっかくだ、このお前のデッキで相手してやるよ」
「好きにしな。忌々しい悪魔どもが」
「やさぐれてんねえ。そんじゃ、手加減は抜きでやらせてもらうぜ」

「「デュエル!」」

 精神世界でのデュエル。真っ暗な世界で、清明が暗い笑みを浮かべて挑発するように手招きする。

「先攻はくれてやるよ。かかってきな、ユーノ」
「なんだ、そんなにドローしたいのか?なら遠慮なくいかせてもらうぜ、俺のターン!……ん?」

 初期手札である5枚のカードを見て、思わず眉をひそめるユーノ。彼の知る清明のデッキは、彼自身が生前愛用していたシーラカンス軸の【魚族】を中心にメビウス等で脇を固めた水属性ビートであったはず……だが、今の手札には見慣れぬカードが混じっている。
 その戸惑いを読み取ったチャクチャルアが、軽く解説する。といっても、すでにデュエルが始まってしまっている以上その説明は極めて簡素なものにとどまったが。

『マスターにも色々あったんだ』
「らしいな。こんなカード、どこで見つけてきたのや
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