ターン64 蹂躙王と鉄砲水
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てな、まさかマスターより先にこっちと合流するとまでは思わなかったが』
「なーにが合流だ、デッキごと地面に埋まってたとこ俺が引っこ抜いただけじゃねえか。にしても、いつの間にか覇王軍まで話進んでたのな。俺が最後に見た時は光の結社編クライマックスだったのに、時の流れは速いねえ」
『マスター、本当になにをやってたんだかな。せっかく寝入ったことだし、少し探ってみるか。少し手伝ってくれ、まず……』
しばらく話が続いたのち、ユーノの影が元の人型に戻る。その本体があらかじめ横に積んであった土を焚火にかぶせて強引に火を消して周りが闇に包まれたところで、呼吸こそ妙に浅いものの清明がぐっすり眠りこんでいることを確認して足音を殺しつつ立ち上がる。
そのまま忍び足を維持しながら清明の枕元に立ち、その額に指を当てた。
「これでいいのか?」
『ああ……あ、いや、これは面倒だな。やめよう』
「あん?」
わざわざそれなりに真面目に立ち上がってまで付き合ってんのになんだそのオチは、といういら立ちを隠そうともしないドスのきいた声に、慌ててすまなさそうに声が付け加える。
『いや、方法はこれでいいんだがな。思ったよりマスターの精神が抵抗してきて、うまく中が覗けないんだ。たかだか数日でどうやってこんなこと覚えたのかはわからないが、少し荒療治で行くしかないな』
「荒療治?いいねえ、いい響きだ。よくわからんが俺もやるぜ」
すぐに機嫌を直しノリノリになるユーノに対し、声が少しの間沈黙する。数秒後、いつになく真面目な調子で返事が返ってきた。
『単純で助かる、と言いたいところだがな。昔のよしみで1つ忠告しておくが、それはやめた方がいい。生きて帰れる保証はないぞ』
「あん?待て待て、そもそも何やるつもりなんだよそれ」
『んー……ものすごく雑に説明するとだな、今からマスターの心の中に魂を潜り込ませて記憶を読み取り、それからこうなった原因を直接、場合によっては力づくでどうにかする。前の世界のように霊体だった時ならまだしも、この世界に来て精霊と同じく実体化しているだろう?下手に肉体から魂を引きはがすとだな、その手の素質がないとうまく帰ってこれなくなることもあるからな』
「ええ、なんだそれ……」
直球な死の宣告に、さすがのユーノもやや困惑する。一時はそれで引き下がるかに見えたが、すぐにまたあることを思いついてぱちんと手を叩く。
「ん、待てよ?そもそも俺自身、コイツに取りつく形で向こうの世界では生きてたんだよな。ってことは、もし失敗して精神がぶっ壊れたりしたら、俺はどうなるんだ?」
『正直予想もつかない……が、2人分の魂から残ったエネルギーをかき集めてマスターを生き返らせたわけだからな。少なくとも、あまりいい影響は出ないだろうな』
それを
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