828部分:第二百二十九話 最後の戦いその一
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第二百二十九話 最後の戦いその一
最後の戦い
その現われた戦士を見てだ。黄金聖闘士達も驚きを隠せなかった。
「貴方もここに!?」
「実体か!?いや、違う」
「実体ではない」
それはわかった。それはである。
「精神だけで来たのですか」
「しかしそれでも聖衣を着ておられる」
「これは一体」
「何、御主等もできることであろう」
その男童虎は微笑んで彼等に告げた。
「この程度のことは」
「いや、ですが」
「それでも」
彼等はそれを聞いてもであった。まだ唖然としていた。その感情は消せなかった。消すにはあまりにもそれぞれの感情が昂ぶったままだった。
「ここに来られるとは」
「いえ、来ることができたのですか」
「今ここに」
「そうだ、できるのだ」
彼は微笑んでいた。驚く彼等に対して穏やかな笑みさえ浮かべている。
「御主達と共に戦う為に来たのだ」
「左様ですか」
「だからこそここに」
「十二の黄金聖闘士と」
童虎は彼等の場所に来てだ。そのうえでの言葉だった。
「そして教皇がいなければならないからな」
「我等全員と教皇が」
「全ていなければですか」
「そうだ、その通りだな」
今はシオンを見ていた。そのうえでの言葉だった。
「これから出す技は」
「その通りだ。だからこそ来てくれたのだな」
「うむ」
今度は強い笑みでシオンの言葉に頷く童虎の言葉だった。
「ではよいな」
「礼を言う」
友と友の間の言葉だった。まさにそれだった。
そしてだ。黄金聖闘士の面々はここでまた驚きの言葉を挙げる。今度は何かというとだ。
「それにしても精神ならばその御姿ですか」
「若い時のその御姿になられるのですか」
「何と」
「ふふふ、どうかな」
しかしここでだ。童虎は悪戯っぽい笑みも浮かべてみせたのであった。それはまるで真実をあえて隠しているような笑みであった。
「それは」
「それは?」
「といいますと」
「時が来ればわかる」
こう言って今は言わないのであった。
「その時にな」
「その時といいますと」
「それは一体」
「少なくとも今ではない」
やはり話そうとしない。とにかく今はだ。
「それは言っておく」
「左様ですか。それでは」
「今は聞きません」
「その時にこそ」
「その時は必ず来る」
ここでも不敵な笑みの童虎だった。
「それではだ。シオンよ」
「うむ」
「共に戦おうぞ」
あらためて告げた言葉だった。
「今からな」
「これで充分に戦える」
シオンは彼の援軍を受けてだ。こうも言ったのであった。
「黄金聖闘士が全員揃ったことによってな」
「そういうことじゃな。それではだ」
「こちらとしても好都合だ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ