第十幕その六
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「けれど楽しんで見させてもらうわ」
「そのファッションショーもね」
「そうさせてもらうよ」
「我々も」
双方こう言います、そしてでした。
ご馳走の後はそのファッションショーとなりました、ですが。
トロット達がモデルさんの道に出て披露している服を見てです、ドワーフの人達もエルフの人達も言うのでした。
「マンチキンの服じゃない」
「ウィンキーの服でもない」
「わし等の伝統の服じゃないか」
「どれも」
「これは一体」
「どういうショーなのか」
「さて、王女達の着ている服ですが」
一緒に観ているカリフ王がここでまた笑顔で言います。
「如何ですかな」
「如何と言われても」
「我々の服なので」
「どうにも」
「何と言えばいいのか」
ドワーフの人達もエルフの人達も戸惑うことしきりでした。闇エルフの人達だけでなく他のエルフの人達もです。
「いや、王女達が着ると」
「ドワーフの服でも」
「エルフの服でもいいですな」
「そして我々の服を着ていても」
「どちらも」
「そう、どちらもいいですな」
笑顔で応えたカリフ王でした。
「ドワーフの服もエルフの服も」
「ですな、これがまた」
「我々の服が一番と思っていたのに」
「こうして見ますとどちらがよりよいとは言えません」
「どちらもいい」
「そう言うべきですね」
「これは」
皆口々にこう言います。
「成程、こうしたものですか」
「料理も服もですか」
「我々のものが一番とは言えない」
「どれも素晴らしい」
「そうなのですね」
「今回のパーティーはそのことをです」
まさにとお話するカリフ王でした。
「鶏の女王に提案してもらってです」
「ああ、ビリーナ女王ですな」
「ドロシー王女と共にこの国に来た」
「偉大なる鶏達の母」
「あの方に教えてもらったのですか」
「貴方達のいざかいを解消するにはどうすればいいのか」
お互いに引かず言い合ってばかりの彼等をです。
「ビリーナ女王がアドバイスをくれたのです」
「そしてそのアドバイスに従い」
「今日のパーティーを開いてくれたのですね」
「そのうえで我々に教えてくれたのですね」
「どれも素晴らしいということを」
「そうです、そしてそのビリーナ女王もここにいますが」
カリフ王はビリーナがノームが大の苦手とする卵を産む鶏それも雌鶏であることから今の言葉は強張って述べました。
ですがそれでもです、こうも言うのでした。
「今は」
「ノームの人達が怖がるからね」
テーブルの下からそのビリーナの声がしました。
「私は隠れているの」
「まあよかったら。私は我慢するので」
カリフ王はビリーナに対して譲歩しました。
「出て来たらどうかな」
「そうしていいの?」
「功労
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