学園生活-スクールライフ-
[10/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うという、学生にあるまじき状況に逆らおうとしたが、それでも襲ってくる睡魔に耐えきれず、シュウはそのまま意識を手放してしまった。
暗闇に満ちた、黒部ダムの湖の湖底に存在する基地『フォートレスフリーダム』。スペースビーストの驚異から地球を守る組織『TLTーJ』の者たちの活動拠点である。
そこのある一室、部屋の扉に『CIC』と刻まれた個人用コンピュータールームにいる若者、吉良沢優がナイトレイダーたちに指示を下す。
だが今、その部屋にいるのは彼ではなかった。
正面のコンピューターの画面に、名前に年齢、性別など、ある一人のプロフィールらしき情報が表示されていた。
そこでキーボードを叩き続けているのは、外見から見て二十歳手前の若い少女だった。
「そんな…」
画面に映るある人物のプロフィールに、その人物のサーモグラフィーが表示される。だがそこで解析されていたのは体温などではなかった。
『侵食率 70%』
「この短期間で一気にこの数値、いくらなんでも早すぎる……」
彼女は思わずそのように呟いた。明らかに目の前の数値に対して焦りを感じているのが見てとれた。
「このままだと、『あいつ』が目覚めてしまう…」
彼女は、さっき見た数値を映している画面から、その向こうの壁にあるモニターに目を移した。
モニターに映るのは、分厚い鉄の大扉。扉からは、わずかに赤い稲妻が漏れ出ていた。彼女はその赤い稲妻を睨み付け、再びキーボードを叩き始める。
そのたびにディスプレイに無数のプログラムが、高速再生された映画のエンドロールのように流れていく。だが、すぐに異常が起きた。彼女の操作するコンピュータが煙を放ち、そしてバチっと漏電を起こした。
「きゃ!」
思わず悲鳴を上げる少女。画面を改めてみると、『ERROR』の赤い文字が浮かび上がっていた。
「次、もし覚醒したら…今度こそ彼は…そんなこと絶対に…!」
ここで怯んでいるわけにいかない。椅子に座った彼女は再びコンピュータにプログラムを打ち込もうとした、その時だった。
「お困りみたいね?」
「…!」
声に反応して、彼女は回転椅子を即座に反転させた。入り口がいつの間にか開かれている。そしてそこの影から姿を隠した立ち位置で、女性と思われる何者かがいる。
「誰?ここには私以外存在しないはず…」
キーを打っていた少女は、入り口の影に隠れる女に突き刺さるような視線を送る。
「そんなことどうでもいいんじゃない?それよりもあれ」
入口の影から伸ばしてきたそのしなやかな指で、その女は、少女が睨みつけていたモニターに映る扉の赤い稲妻を指さしていた。
「今にも暴走しそうね…いったい何が封じられているの?」
「…あなたには関係ない」
少女は、影に隠れている女に敵意を剥き出すような思
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ