学園生活-スクールライフ-
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た。優しそうな顔を浮かべ、女子からの人気も高そうだ。
「で、でも『孤門』先生。俺、どうしても朝に弱くて…」
毎朝起こしてくれるシエスタにも言われていることだ。できれば自分で目を覚ましてくれ、と。だがどうしても好きなゲームをするあまり夜更かしし、朝に弱くなってしまっていたサイトであった。
「言い訳しない、何度も佐々木さんが起こしに来れるわけじゃないんだぞ?社会人になってからそのままだと、同僚に迷惑かけて大変なことになりかねないんだから」
「す、すみません…」
言い訳して回避しようとしたが、『孤門』先生はそんなことで許そうとしなかった。この程度の言い訳を許したら、あらゆるみっともない弁明を通すことになる。
「佐々木さんも、あまり無理をしないこと。君まで遅刻になる理由はないんだから」
「いえ、いいんですよ孤門先生。自分で好きでやっていることですし、それにサイトさんを起こすと、やっと今日が始まるんだって思えますから」
「けど、黒崎君やウエストウッドさんまで遅刻なんて珍しいな。たまに遅刻する千樹君と尾白君ならわかるけど」
「もう〜孤門、そりゃないだろ?俺まで遅刻の常習犯みたいになっちゃうじゃん」
「こら。ここでは『孤門先生』と呼ぶ」
「は〜い、孤門先生♪」
「やれやれ…」
シエスタの、なんだか良妻のような心構えと、憐のいつも通りの明るい様子に、孤門は諦めたように笑みを混じらせたため息を漏らした。
憐と孤門は生徒と教員の関係でもあるが、それ以前に年の離れた友人同士でもある。たまにこうして、生徒と教師の枠を超えて砕けた会話を取り合うこともある。
「それはそうと、早く教室に行きなよ。後10分で朝礼の時間だ」
孤門はそう言って門を閉め、職員室の方へと向かっていった。
「そうだ!この前の数学のプリントやってねぇ!」
「後で私が見せますから、すぐに教室に行きましょう!」
「あ!俺も生物の宿題プリント忘れてた!憐、あとで教えて!」
「尾白って、ほんとこういうのに関して世話が焼けるのな…今日の昼飯の奢り、忘れるなよ?」
サイトや憐たちもまた急いで教室へ直行した。
あわただしい。そう思った中、シュウは考える。
…やはり何かおかしい気がする。普通なようで、普通じゃない。自分の日常は、こんな平凡さに満ちていたようには思えなかった。シュウは、自分の中にある違和感をぬぐえないままだった。けど…今の自分の記憶では、当たり前の光景のはずでもある。何かが矛盾している。そんな気がしてならない。それがなんなのか、あるはずなのに認識できない。
いや、そんなことより俺も急ぐべきか…そう思ってシュウもかばんを担いで歩き出した。
「あの…」
ふと、シュウの後ろから話しかけてきた声が聞こえた。振り返ると、まだそこにテファと名乗った少女が立っている。
「君、まだ
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