学園生活-スクールライフ-
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事に励むあまり、彼らの会話に癒しを感じていた。ずっと自分にくくりつけられていた鉄球が、いつの間にか消えたような感じだ。
だが、違和感を感じた理由はそれだけじゃない。追試常習犯の尾白ならまだしも、憐と自分は、そもそも高校レベルの勉学などとっくにマスターしていたはずだ。なのに、日本の学校にこうして通っているのはおかしい。
「…なぁ、憐」
「ん?どったの?」
名前を呼ばれた憐が振り返ってきた。
「遺伝子暗号が3種類の塩基で構成されている理由は覚えているか?」
「ん〜?そりゃ、たんぱく質を作るアミノ酸の数が20種類あるからだろ?アデニン、グアニン、シトシン、シミンの4つの中から2つの塩素を使って組み合わせてみても4の2乗で16通りだからアミノ酸の数に対応できなくて…
…って、なんでそんなこと聞くの?」
「いや…その…俺と憐は、少なくとも高校で出る履修科目の課程は把握してるはずじゃ…」
さっき脳裏に浮かんだ疑問を憐に明かしたところで、尾白が二人の間に割って入ってきた。
「なぁ…お前ら、何を話してんだよ」
「何って…記憶力の確認?」
「何で疑問系なんだよ。んなわけのわからないことじゃなくて、何か面白い話でもしようぜ。うちの学校にいるかわい子ちゃんたちの話とかさ」
「尾白そればっかじゃん…」
「言えてる…」
無理やり欲望まみれの話題を立ち上げてきた尾白に、もう聞き飽きたとばかりに憐がため息を漏らす。
「バッカだなぁ憐君は。俺たちはまだ高校生。青春を謳歌してる年頃なんだぜ。女の子の話で盛り上がらなくてどうすんだよ!」
ちっちっち、とアメリカ人の古臭いジェスチャーを示しながら、ちょうど歩道橋を駆け上る。
「そんなんじゃ…あ、あれうちの生徒?」
ふと、そこまで言いかけたところで、尾白は歩道橋の上に、誰か二人の人物が立っているのを見かけた。
「…みたいだな」
尾白に対し、シュウが答える。少しでも目の前のことに頭を切り替えようとしていた。
「あ〜、なんか見たことあるぞあの二人。確か、2年の平賀ってやつと佐々木さんだな」
「佐々木、佐々木…あぁ!!思い出した!
2年女子の中でも『メイドにしたい女子ランキング1位』、佐々木シエスタ!俺、超好みなんだよ〜」
憐から名前を聞いて、尾白が飛び付くように声をあげた。シュウもシエスタと、彼女の前に立っている平賀という男子生徒を見る。初めて見る顔のはずだ。だが、前から見たことがあるような気がする。いつぞや、どこかで肩を並べて戦った戦友のような…いや、何を考えているんだ。変な夢でも見て、頭がおかしくなったのか?
「おやおや黒崎君、なんであの子の方を見てたのかなぁ?もしかして、ついにお前もそういうの興味出た?でもだめだね。あの子は俺のターゲットなんだからな」
「別にそういう訳じゃないが…」
背後か
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