学園生活-スクールライフ-
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……
「ならば俺が真実を教えてやろう」
「!」
暗い空間の中でただ一人たたずんでいたシュウの耳に、不気味な声が語りかけてくる。
周囲を見渡すと、闇の中からあの男…メンヌヴィルがシュウの前に姿を現す。
「どんなに光でその身を覆ったところで…真実は変わらん。貴様も、コルベールも…一度汚れついた血の臭いは決して落ちることはない。それはいずれ、世界を飲み込む闇と同じように、お前をあるべき姿へと導く」
それを聞いてシュウは目を細める。いい加減この男の顔を見るのは嫌だった。
「あるべき姿…?貴様みたいに、自分以外の命を好き放題蹂躙する姿が、俺の正しい姿だとでも言うのか?」
「そうだ」
「一緒にするなと…言ったはずだ」
メンヌヴィルの言葉に、シュウは言い切るが、それでも奴は不吉な話を続ける。
「逃げようと思っているようだが、逃れる術などない。お前の闇は、もうすぐ目覚めのときを迎える。もうわかっているだろう?俺との戦いで、すでにお前の中の闇が目覚めているのがな」
「…黙れ」
うつむき、顔に影を作りながらシュウは口をつぐむように言う。すると、メンヌヴィルの姿が次第に闇の中へ溶け込み、消えていく。
「覚えていろ…ウルト…ラ…マン……貴様も……いずれ落ちるぞ…俺たちと同じ闇に…な…先に地獄で待っているぞ…」
「黙れええええええええ!!」
いい加減に…イラつく口を閉ざせ!その言葉が心の中でとどろき、シュウは腰に下げていたブラストショットを消えかけているメンヌヴィルに構わず撃ち抜いた。銃口から放たれた光の弾丸はメンヌヴィルを完全に消し去る。
彼が消えたのを確認し、大声を出しすぎて大きく息を吐くシュウ。考えたくも無かった。あいつと同じようになるのだけは。自分が平和を乱す存在になることだけは…絶対に認めたくない。
…しかし、シュウの身にここで異変が起こる。
ズキン!
突然頭の中に、割れるような強い頭痛と耳鳴りが走り出した。
「ううっぐ…!!?」
あまりに突然の激痛に彼は頭を抱え、闇の中でただ一人もだえ苦しんだ。
「が、ッああ…がぐ…ぅ…うわああああああああああああああ!!!!」
狂ったように叫ぶ彼の開かれた瞳孔の中に、ある景色が浮かぶ。
森の中、銃撃の嵐に散る人々
爆発の中で砕ける少女と、絶望の絶叫をあげる男
血で穢れきった夜の病棟
炎の中心で誰かが立っていた場所に広がる血溜まり
血で汚れきった手
そして、雨でできた水溜りに映った…
黒く染まった巨人の顔を
「シュウ!いい加減起きろって!」
「ッ…!」
突然耳に入ってきた大声が、シュウの耳に入った。あまりに耳元でうるさく聞こえたが、その直前にシュウははっと目を開けて起き上がる。
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