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絶狼〈ZERO 〉MAGIC BLOOD
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ゃない! マナーの問題よ! 明らかにこのドーナッツの量おかしいでしょ!?」

「いやいや、こっちは金払ってるのに何が問題なの?」

至福の時間を邪魔されただけじゃなく、悪ことは何一つしていないのに見知らぬ女性にマナー怒鳴られて、少しムカついた俺は席を立ち、スーツの女性を睨んだ。

「凛子さん、やめましょうよ……こんなことで怒るような晴人さんじゃないじゃないですか」

女子高生の子が仲裁に入るが、俺たちには全く声は届かない。
そして口喧嘩が徐々にヒートアップしていく。

「大体、服装が怪しいのよ」

「人を見た目で判断するのは良くないと思いま〜す」

「じゃあ何か身分を証明出来るもの持ってる?」

「持ってないけど?」

「私は警察よ 話なら署で聞くから」

お互いに冷静を装いつつも、負けず嫌いな者同士で一歩も譲らない。
冷たい空気が俺達の間を流れ、時は過ぎていく。
その沈黙を破ったのは人々の悲鳴と身体が石のように罅割れた、灰色の鬼のような姿をしているホラーとは違う異形の存在。
槍を武器に持つ個体や、右腕が肥大した個体も存在し、人々を急襲する。

「グール!?」

「凛子さん、逃げてください ここは私が!」

女子高生が異形の者たちに向かっていく……。
化け物十数人とたった一人の女子高生が立ち向かう。
数でも力でも間違いなく勝ち目はない。
だがそれは女子高生が普通の人間だったらの話だ。

真由「変身!」

【シャバドゥビタッチヘンシ~ン!】

女子高生はスカートをひらりと一回転させ、足を開き指輪はめた手を真っ直ぐ天に伸ばす。
そしてその手をベルトにかざして大きく腕を優雅に広げた。
聖なる光が女子高生の身体を包んでいき、彼女は戦士に変身していく。

基本カラーはベージュと黒で、琥珀色の原石のような造形とそれを掴む三本の爪のようなパーツが特徴的で肩からは巨大な棘、四肢に施された羽のような装飾、尻尾や左腕の巨大な鉤爪を擁している。

さっきまでの大人しそうな女子高生からは想像できない程に戦い方は荒々しい。
次々に巨大な鉤爪と素早い動きを駆使し、異形の者たちを倒していく。
正直、俺には戦い慣れしているようには見えない……力任せに身体能力にモノを言わせ、後先何も考えずに突っ込んでいるだけ。
あんな無茶苦茶な戦い方では間違いなく今より強い敵が来たら、苦戦するだろう……。

「えっ? ちょっと!?」

手に違和感を感じ、ふと見ると、手錠をかけられていた……。
完全なる油断……。
まぁこんな手錠くらい簡単に外せるし、途中で逃げればいいか……。

「いいからこっち!」

無理やり拘束され、まるで奴隷のように引っ張られてその場を逃げ去る。
そんなに急いで
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