暁 〜小説投稿サイト〜
グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第78話:解らない事があったなら誰かに聞くのが一番早い。でも鵜呑みにするのは危ないよ。
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は考えなかったのか?」

「ええ……考える必要は無かったでしょう」
「何故!?」
そうだ何故なんだよ?

「泥棒という存在が厄介なのは、その存在が何処に居るのか判らない事です。居るか如何かも判らない……居たとしても誰なのかが判らない。そんな状態では適切な措置をとれないですし、下手に疑心暗鬼が生じれば泥棒もその隙を突いてくるのです」
「そうか……今回は初めからリュカに正体がバレてたから、そんな厄介さが発生しないのか!」

「そうです。そして誰が泥棒か判っていれば、其奴が欲しそうなお宝情報を断片的に与え、逃げ出すチャンスを潰させる事も出来るのです!」
「ではリュカ達は、何故そうまでして泥棒を取り込みたかったのか? 一体何を泥棒に盗ませようとしてるんだ?」

「もう一度言うけど、これは私の推測よ。私の推測なんだから、今後お父さん達に会っても今回の話をしないでよ」
「随分とクドいな……それは理解してるよ」

「多分お父さんは、あの偽メイドに他国の情報を盗ませるつもりよ……所謂スパイ」
「ス、スパイ!?」
「それは大問題だな!」

「そうよ、大問題なのよ。だからラインハットに嘘を言って、それをグランバニアとしての公式見解にしたのよ」
「そこがまたよく解らんのだが?」

「ですから……ラインハットはグランバニアの公式見解()に付き合い、国宝を泥棒に盗まれた事実は無かったと言う事にするの! 泥棒なんて居なかった……急に居なくなったメイドは、ただ居なくなっただけで何も盗んでなかった。だからグランバニアにも泥棒が流れ込んだ事もないし、何かを盗もうとした事だってない。そういう事にしなきゃならないんですよ」

「う゛〜ん……言いたい事は理解出来たが、自国内で起きた事件まで無かった事にさせられるのはなぁ……」
「お義父様、これは重要な事なんですよ! グランバニアは間違いなくスパイを他国に送り込んでるんです。その国が何処だか考えた事ありますか?」

「え……まさか我が国じゃないだろうな!?」
「何でラインハットにスパイなんか送り込むんですか!? この国には『リュカ様と敵対するのなら私(俺)は豪快に寝返ります!』と公言してる姉弟が居るんですよ。意味が無い」

「そう言えばそうだったな……」
「じゃぁポピーは何処だと思ってるんだい?」
「本当に判らないの? 国交が途絶えていたのに、再開させようとしてる国があるでしょ」

「……今ティミーが大使として赴き、先方の大使を国賓として連れ帰ろうとしてる国か!?」
「そうよ。お父さんはあの国の事が好きじゃないんですよ……なのに先方から国交再開の打診が在ったから、渋々だけど外務大臣を大使として赴かせた。万が一にも戦争になった時の為に、あらゆる手立てを打っておくと思いませんか?」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ