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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第78話:解らない事があったなら誰かに聞くのが一番早い。でも鵜呑みにするのは危ないよ。
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くなってる気がする、何の情報も得られなかった所為だろうか。

「どうやらウルフも知らない所でリュカが泥棒を見つけたみたいだな」
確かに……女性関係の事だし、リュカ陛下の独断だったのかもしれないな。
「お義父様は甘いですわね」
先程まで覇気の無かったポピーが、悪魔のような笑みを浮かべて父上に指摘してくる。

「い、いや……だって……」
「やっぱりウルフも今回の件に一枚噛んでる様ね」
「何でそうなるんだよ……ウルフ君は何も知らなさそうだったじゃん?」

「何も知らない男が、私からの通信を事前に待ってる訳ないでしょ! MH(マジックフォン)越しにアイツの居る場所を見た? 誰も居ない完全なる個室で私の通信を受けたのよ……しかも即座に! 呼び出しをして誰も居ない場所まで移動する必要も無く!」

「それって……リュカがラインハットにラーの鏡を返却する事を知ってたって事か?」
「そうでも無きゃウルフの奴は自分の執務室で私の通信を受けたはずよ。現在アイツの執務室には大勢のスタッフが居るのよ……今回の通信と符合しないわよね」

なるほど……リュカ陛下がラーの鏡を返して『拾った』と言い張れば、その真偽を確かめる為にポピーがウルフ君に通信すると予測し、彼は事前に人気の無い場所で待機していたって事か。
呼び出しに応じる早さだけで、そこまで読み取るとは流石だな。

「それらの事を総合すると、お父さんもウルフも私達に今回の嘘に付き合わせようとしてる事が解るわ」
「何だ嘘に付き合わせようとするって!?」
未だに俺も父上もポピーの荒唐無稽さに慣れる事が出来ない。

「これから話す事は私の勝手な推測よ。お父さんもウルフもメイドや泥棒の事を何も言って無いから、私が言う推測を事実として言い回るのはダメよ」
「それは解ってる……ワザとアイツ等も何も言って無いんだろ!?」

「ラインハットで泥棒を働いた偽メイドは、予想通りグランバニアに行き同じ様に偽メイドとして潜入してたと思います。ですが理由は解らないけど、あの2人には正体を知られ捕まったんだと思います」
「捕まった!? ……って事は最近まで身を潜めてたのか?」

「いえ、多分ラインハットを去った後直ぐにグランバニア入りしたと思います」
「しかしラーの鏡が盗まれたと判明してから、今日までで3年以上は経過してるぞ!」
それまでリュカ陛下も泥棒も、何もしてないなんて考えられない。

「そこで重要になってくるのは、お父さんが何時あのメイドに気が付いたかです」
「如何いう事だ? 偽メイドが泥棒を働こうとして気が付いた……そして捕まえてラーの鏡を取り返したんじゃないのか?」

「違うわね……そうだとしたら泥棒に対して何も考えが及んでなかったし、ラインハットに虚偽の報告をする意味が全く無
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