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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第77話:第一発見者は、重要な容疑者
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して潜入する泥棒は存在しないと言ってると思います」
「な、何を言うか!? 泥棒は存在するし、我が国はその被害に遭ってるんだ」

「そうです。ですがグランバニアは例の泥棒を引き渡す事が出来ないのだと思います。事情は解りませんが引き渡しが出来ないけど、ラーの鏡を取り返した為それだけでも返却したんだと思います」
「引き渡しが出来ないのに、何でワザワザ盗まれた物を返してきたんでしょうか?」

「はいデール様……それは未来の事を考えてだと思います。グランバニアにラインハットの盗まれた国宝がある事が後々知れ渡ってしまったら、両国の関係性に亀裂が生じる可能性があります。それを避ける為、ラーの鏡は返却する必要があった……でも入手方法を明かして、盗人の引き渡しを要求されてはグランバニアに都合が悪い。だからバレバレの嘘を言い、その嘘に乗って貰うように仕向けたんだと思います」

「そうなると気になるな……あのメイドは如何なったのかが」
「そうですね兄さん……ラーの鏡を取り返したと言う事は、グランバニアは被害に遭わず泥棒を捕まえたと見て良いと思います」

「なのに引き渡しには応じない……って事はリュカがメイド(泥棒)に手を出して情が湧いたって事かなぁ?」
「お義父様、私の父を馬鹿にしすぎです。確かにあの人は極度のフェミニストですけど、我が国との関係を拗れさせる事はしないでしょう」

「“フェミニスト”って言葉を飾ってるが、アイツはだたのスケベ野郎だ」
「その事を否定はしませんが、私の言ってる事は間違ってますか?」
……間違ってはいない。流石のリュカも、女関係で国家間トラブルを発生させる事はないだろう。

「では犯罪者の引き渡しに応じれない理由って何だ?」
「う〜ん……流石に私にも解らないわ。ウルフに聞いてみましょう!」
俺の問いに首を傾げるポピーは、直ぐにMH(マジックフォン)を取り出してグランバニアから情報を得ようと動き出す。

「あ、グランバニアの宰相に連絡するのなら、何処か別の部屋でお願いします。それと兄さんも通信には参加しないで下さいね……2人の国王が揃って他国の内情を聞き出そうとしてるなんて噂を立てられたくないですから」

「そ、そうだな……通信はポピーだけに任せて、俺は内容を聞くだけにしてよう」
面倒な事だが、国王自ら他国の者に話を聞いたのでは、良からぬ噂が立ってしまうかもしれない。
ここはポピーに任せて、俺はMH(マジックフォン)に映らない場所で見守る方が良かろう。

ヘンリーSIDE END




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