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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第77話:第一発見者は、重要な容疑者
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でもリュカを慌てさせるには及ばないか……
それにしても目出度い事だ。

「大きな吉事である事だし、僕からプレゼントを進呈しよう」
夫婦で嬉しそうに新たな命が居る場所を擦り逢ってるのを、やはり嬉しそうに眺めてたリュカが思い出したかのように懐から風呂敷に包まれた何かを取り出した。

「はいコレ。お祖父ちゃんになるヘンリーにあげるね」
そう言って手渡された風呂敷包みを開けると、中にはラーの鏡が入っていた!?
「お、お前……これ如何したんだ!?」
コレは3年以上前に突然居なくなったメイドに盗まれた我が国の宝だ!

「拾った」
「ひ、拾ったって……お前ふざけるなよ! コレはメイドとして我が国に潜入してた泥棒に盗まれた代物だぞ! お前の国にも現れたのか? 其奴を撃退して取り返したのか!?」

「だから拾ったんだって……外のお堀の壁に引っかかってたんだよ。僕も先刻(さっき)見つけたばっかり。よく探しなよぉ……無くし物なんて意外と近場にあるんだからさぁ」
「無くしたんじゃねーよ! 盗まれたんだよ!!」

「酷いなぁ……無くした物を盗まれたと言い張って、罪無き人々を断罪するつもりだったんだね?」
「人聞きの悪い事言ってんじゃねーよ! あのメイドは如何なった? 捕まえたのか? 我が国は多大な被害に見舞われたんだ……引き渡しを要求する!」

「それは拾った物だ。盗んだメイドなんて存在しない。存在しない者を引き渡す事は出来ない! 従ってこの話はココまで! さぁ解散、解散……おっと、そこの彼女ぉ〜今暇ぁ? 僕とデートしよ」
「暇、暇ぁ?」

リュカは拾ったと言い張りこの話を強引に打ち切った。
そして俺の秘書を連れて何処かへと逃げてしまう……暇ではなく、まだ仕事が残っているのに。
相変わらず逃げ足が速い。



「如何思うデール?」
あっという間にリュカが居なくなり、暫くの間沈黙が我々を包み込んでたが、それを打ち払うようにデールへと問いかける。

「リュカさんの言う堀の壁に引っかかってたってのは無理があると思います……ですが嘘を吐くならもっと信憑性の高い嘘の方が良いのに、何であからさまな嘘を言うのかが気になりますね」
「確かに……ポピーは何か聞いてないのか?」

「お義父様……私はもうグランバニアの人間ではないのですよ。そう簡単に内情を知る事は出来ません……ただデール様の仰る通り、嘘を吐くのならもっと上手い嘘を言えたはずだと思います」
「そうだな……何だってあんな嘘を?」

「これは私の推測ですが……あからさまな嘘を真実だとラインハットに言わせたかったのではないですか?」
「? 何だそれは……如何いう意味だポピー?」

「つまり、先程のグランバニア国王の発言は国としての正式発表であり、この世界にメイドと
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