大泥棒が鎮守府にやって来る〜会食編・その1〜
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工廠を後にして会食の会場である俺の店に向かう。ここまで来ればもう『悪さ』をする恐れも無いだろう。念のために尾行をさせていた川内に戻るようにと通信を入れる。
「もういいのかい?」
ルパンが何気なく声を掛けてきた。やっぱり気付いていたのか。
「あぁ、お前さんらにそういう気を起こすつもりが無いようだしな。万が一の備えだったが……必要無かったようだ」
そうなればこの6人は完全な客分。ならば俺の全力を以てもてなすまでだ。本館に戻り、食堂とは逆方向に進む。客人達は一様におや?という顔をしているが、これはもういつもの事だ。
「さぁ、ここだ」
一行が足を止めたのはいつもの事ながら執務室。皆頭上に?マークが浮かんでいるが、疑問や質問は取り敢えず飲み込んでもらい、中に入ってもらう。普通の鎮守府の設計よりは大きめの室内をキョロキョロと見渡しているが、今はまだ普通の執務室だ。『今は』な。
「さて、その辺の調度品には触らないようにな」
いつもの通り、部屋の変形スイッチをON。執務机はキッチンとバーカウンターに入れ替わり、資料をしまってある背後の棚は酒瓶の収まった収納棚に。テーブル席とソファが床下からせりあがって来て、執務室は完全に『Bar Admiral』へと変形を終える。龍田を始めとする艦娘達3人は唖然としているが、ルパン達3人はこのくらいは普通だろうと平然としている。
「さぁさぁ、いつまでも呆けてないで座ってくれ」
俺に促されるまま、カウンターに腰を下ろすルパン一行。
「『Bar Admiral』へようこそお客様。ささやかながらおもてなしをさせて頂きます」
ルパン達はこういう店に慣れているだけあって寛いでいるようだが、艦娘達は多少戸惑い気味だ。
「ま、堅苦しい挨拶はこれくらいにしよう。さぁ、飲みたい物を言ってくれ」
「そうは要っても……メニューが見当たらねぇが」
口を開いたのは次元だった。メニューがないのはウチのポリシーさ。
「ウチはメニューが無い分、食いたい物・飲みたい物を言ってくれれば材料があれば何でも作るのさ」
和洋中、料理に拘らず本格的スイーツも作る。ピザも焼けば寿司も握る。節操が無いと言われればそれまでだが、出来ないと言うのが嫌、ってのが本当の所さ。
「ほーぅ、なら……バーボン・ロックだ。銘柄は任せる、それと料理の前に摘まめる物を」
んじゃ遠慮なく、とでも言わんばかりに次元が注文。
「……拙者は日本酒を貰おう。冷やでな」
次元の次は五右衛門か。ツマミへの言及がない、という事はツマミはお任せ、という事でいいんだよな?
「……で?お前さんはどうするんだ?ルパン提督」
「俺かい?そりゃあアンタが俺に飲ま
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