大泥棒一味が鎮守府にやってくる編(未完)
大泥棒が鎮守府にやって来る〜はじまり〜
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許可も取った。何一つ問題はない。念のため、鎮守府内の施設の警備の強化はしたが。そして訪問の日を迎える。
「それで、なんでdarlingはそんな格好なんですか……。」
辟易したような顔の金剛がこちらを見て呟いている。俺の服装は白い海軍の制服ではなくアロハシャツに七分丈のカーゴパンツ、ビーチサンダルにサングラスと完全に軍人らしからぬ服装だ。普通なら視察受ける側は礼儀を尽くすべきなのだろうが、今回は建前上の話だ。ただ単に提督同士の親睦を深めたいとルパン提督を招待したわけだ。
「別にいいだろ?演習したりとかそういう公式的な訪問じゃねぇんだ。それに、向こうも制服着てくるような連中じゃねぇさ。それに暑いし。」
ルパン提督とその二人の補佐官、次元大介と石川五右衛門の服装が上層部のやり玉に上がっているらしい。制服を着るのを断固固辞しているらしく、頭の堅い古狸共はカンカンらしい。だが、俺はその話を聞いて何ともルパン三世らしいと思った。
神出鬼没・天下御免の大泥棒。何者にも縛られないという姿勢をその出で立ちで示している訳だ。そういう心意気が俺は好きなんだ。向こうが私服で来るならば、こちらも示し合わせたように私服。これは気遣い無用の俺なりの意思表示ってワケさ。と、航空機のエンジン音が響いてくる。ウチの鎮守府が敷設した飛行場にスムーズに降りてきた。タラップから最初に降りてきたのはルパン三世その人だった。
赤いジャケットに青いワイシャツ、黄色のネクタイ。細面の顔に細長い手足。そして怒り肩。資料として貰った写真で見たそのままの姿で、まるで二次元の世界から三次元の世界にそのまま飛び出して来たようだ。続いて降りてきた次元と五右衛門も写真そのままの容姿で、こっちの頭が若干混乱しそうになる。
『ルパン一味は実在していたんだ!』と根っからのルパンファンなら感動して泣いてしまいそうな程にリアルだ(当たり前だが)。
「ようこそブルネイへ。俺がここの鎮守府の提督、金城だ。遠路はるばる悪かったな、ルパン提督。」
「いや〜、俺様提督としてはまだまだ新人のペーペーだもんで。ベテラン提督のご招待とあっちゃあ来ない訳にもいかんでしょ〜?」
ルパン提督はニヒヒヒと笑いながら握手を交わす。その声色や口調まで報告書にあった通りだ。まぁ、水清ければ魚棲まずってな。俺もそれなりに汚れ仕事もしてるワケで、それなりの情報網は持ってるワケなんだが、そこから出された報告書や音声データそのまんまだ。
「しっかしまぁ、実在してたんだなぁホントに。噂には聞いてたが。」
俺が全身を眺めていると、ルパン提督は少し困ったような苦笑いを浮かべている。
「そういやアンタ、制服は着ねぇのかい?」
空気を張り詰めさせたまま、ルパンの後ろに控えていた次元
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