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魔法科高校の有能な劣等生
すれ違い、
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、アンタにピッタリでしょ」
「あらあら。これは褒められてるのかしら?
それとも貶されてるのかかしら」
「私がアンタを褒めると思う?」
「あらあら」
楽しそうに微笑む生徒会長。
心から楽しそうに微笑んでいる。
未知の来訪者に学園のプリンセスの登場。そして、自分の思い通りにならない二人の生徒。普通とは違う、常識外れのイレギュラー。
この状況、この展開は生徒会長が予想する想像以上のものだったのだろう。当の本人達からすれば迷惑でしかないが……あの女があれだけ楽しそうに笑っているのを見ると最悪の予感しかしない。
影君を連れて早くここを出よう。
「あら、もうお帰りですの?」
「当たり前でしょ。アンタの顔なんて見たくないし」
「あらあら、相変わらず酷い言われようですわね」
生徒会長はただ、楽しそうに二人のイレギュラー達を眺めていた。
ここから出るのを妨害することも無く、ただこちらを動きを観察するだけ。気味の悪い……あの女が見ているだけで何もしてこないなんてありえるのだろうか。
そして、生徒会室から出るその直前に。

「では、また会いましょう────ZEROさん」






────────。

……────。

「……ぅ」

頭が……痛い。
体は鉛のように重く、思うように動かない。
「影君、起きた?」
この声は……零宮?
ボォーっとする頭の中に響き渡る少女の声。
「無理して起きなくてもいいよ」
優しい、声だ。
聴くだけで安心できる。
思考は働かない。でも、今は眠りにつこうと思った。


────零宮って何者なのだろう?
あの時……確か、二日前だったかな。
会って早々、馴れ馴れしい奴で。最初は苦手だったけど会話をするに連れて────俺はアイツを思い出した。
無月 零。
いや、正確には無月 零だった頃の零を……かな。
雰囲気と言えばいいのか。彼女は何処と無く無月 零に似ていた。
見ているだけであの頃の零を思い出す。
だから、零宮と話すのは楽しかった。
考えると余計に変だよな。零宮と零が似ているなんて。
零宮は女の子で可愛くて……なんか見てるとモヤモヤする。
零の野郎は男で優柔不断でせっかちでわがままで誰にでも優しい自慢の友達だ。そんな零と零宮を重ねるなんて、俺はどうしてしまったんだ?
駄目だ、このままじゃ駄目だ。
俺は何の為に生きている? 俺は何の為に生きてきた?
零を救うためだ。零を無月の呪縛から解放するために俺は生き続けてきたんだ。
そして、俺を救ってくれた零を今度は俺が救うんだ。
「────零」
薄らと光が見えた。
……俺は眠っていたのか。
閉じていた瞼を開くと────。
「おはよう、寝坊助さん」
そこには零宮がいた。
いや、これは。この体制は
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