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第七十五話 捕虜交換式典です。
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ルトの発言がフェザーンに知れ渡ることはなく、フィオーナはただ自己の職責を誠心誠意全うすべく、フェザーンの招きに応じて、自治領主府に降り立ったのである。
自治領主府のスタッフたちはルビンスキー自らではなくボルテックという小物(彼らはそう呼んでいた。)を歓待に差し向けたことを不審に思っていた。表向きはルビンスキーは体調不良を理由にして公務を退いて静養している。だが、これほどの規模であればこそ、病を押してでも出てくるべきではないのか。
そのルビンスキーは存外顔色も悪からず、隠れ家の一つにドミニクと籠って酒をたしなんでいた。ルビンスキーはときたま自治領主府から姿を消すことがあったが、その行方については親しい側近にすら明かさなかったのである。ほんの数人、身の回りを世話する人間だけが知ることとなっていた。
「お前はなぜ私が宴席の場に出ないのかを不思議に思っているだろう。」
そう言われたドミニクは返事一つせず、無関心な顔のままグラスを傾けている。
「要するに、我がフェザーンの価値を自ら下げるような真似をすべきではないという事だ。」
「・・・・・・・。」
「この間の和平交渉は国家元首若しくはそれに準ずる人物がやってきた。だから私自らが参加したのだ。だが、今回の捕虜交換については帝国は一介の大将、自由惑星同盟も外務委員長という一介の閣僚が出張ってきたのみだからな。そのようなところに私自らが行くこともなかろうと思ったのだ。」
「・・・・・・・。」
「私もフェザーンの血を引く人間だ。商品を売りつけるにあたって、自ら物の価値を暴露し、買い手に買いたたかれるような真似はしたくはない。」
「その商品とやらの価値があなたが思っているほど高いかどうか、ね。」
ドミニクは皮肉交じりにそう言ったっきり、グラスを置いて部屋を出ていった。ルビンスキーは彼女を追おうともせず、ただ正面のモニター越しに捕虜交換式典の様相をじっと見つめていた。
捕虜交換式典は帝国歴487年4月21日、捕虜交換が行われているさ中、同時並行的に実施された。これもいわば形式というものであったが、それも自由惑星同盟、帝国双方の合意があって初めて成り立つ形式なのだった。フェザーンの自治領主府前において盛大な台が設けられ、両国の護衛兵士たちのみが立ち並ぶ中、まず帝国軍からフィオーナが、ついで外務委員長であるケリー・フォードがボルテックにフェザーンの仲介役を感謝する旨の謝辞を述べ、ボルテックが短いながらもふんだんに装飾がちりばめられた答辞をもって答えた。
ついで、ボルテックに促されて、自由惑星同盟からはケリー・フォードが、帝国軍からはフィオーナが進み出て、互いに作成した捕虜交換リスト及びその証明書、ならびに文書を交換し、各々サインを行った。
「形式というものは、必要かもしれませんが、
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