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ep.034 死なない工夫
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前頃の話になるのだが不意に勝哉が音楽を聞いている光景を見たことがあったのだ。
『確かあの時に聞いてたのはクラシックジャズ。』
「はっ!!」
子規は驚く。
仮にマスターが新しい客が来るまで、曲を変えない人だったのなら自分より1つ前に来ていた客が勝哉かも知れないと思ったからだ。
「じゃあ....マスターにとって野口のイメージってどんなものなんです?」
難しい質問にマスターは少し考え込む。
しかし、割とすぐに答えは出てきた。
「『曲げられない何か』を持っているストレートな方なのではないかと思いますね。」
マスターの解答に子規はフムフムと頷いた。
少しだけだが勝哉を理解できた気がして嬉しかった。
それからしばらく雑談を続けて、気が付けば時計の針は1時に迫ろうとしていた。
ここで子規は『本題』に切り換える。
「話を変えるんですけど、今日はマスターに1つ注文したいものがあって来たんですよ。」
マスターの表情に少し変化が見られる。
どうやら時間帯から見ても、先程の質問からしても、その内容は察してくれたようだ。
「ご注文を聞きましょうか?」
「頼みたいのは『拠点防衛装置』。 それも『人力』で運べるくらいのサイズの必要があるんです。」
子規の注文は聞くだけでは想像もできないような『ぶっ飛んだ』イメージをしていた。
「運べるくらいのサイズというのはキャリーケースのイメージで合っているのでしょうか?」
それなら作れるのかと逆に質問したくはなるが、子規はこのために設計図を用意していた。
子規はあくまで提案者なだけであってそれを作るような力量は持っていない。
それ故に、このマスターが設計図通りに作ることができるのかどうかは重要な問題だった。
マスターは子規から渡された設計図に目を通す。
時折、細かく頷いたりしているので不明瞭な点はないのだと思った。
「なるほど、このサイズなのであれば一ヶ月ほどの期間を頂ければ作れるかと思います。」
「マジですか!!」
子規はコーヒーをこぼしそうな衝撃を受ける。
無理もないだろう。
常識外れのお願いを明確な期間まで設けて実行して入れるのだ。
単なる驚きでは済ませられないのも仕方ない。
その後、料金についての話し合いを済ませて子規はおもちゃを待つ子どものようにルンルンな調子でカフェを後にした。
◆◆◆◆◆◆
子規はシールドエフェクトに隠れながら、次の作戦を練り続けていた。
『既にこの状態で5分経過。 あと半分の時間しかこのシールドエフェクトは残っていない。』
子規はこの5分間で全体の何割の弾丸が自分を目指して飛んでくるのかを推測した。
『飛んでくるのは3割、あとの7割は回避場所をな
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