第47話『ボス戦』
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くとも、凡人1人が呟く言葉じゃないだろうね」
「でも、ミライさんはやるんですよね?」
「ああ、黒幕を見つけ出して、必ず。まぁ君が黒幕じゃないことを祈ってるよ」
「だから、違うって言ってるじゃないですか!」
ユヅキは膨れっ面でミライに言うと、彼は冗談だと誤魔化した。
現在進行形で“頼れる存在”ではあるはずなんだけど・・・こうして見ると、本当にただの青年だ。
ユヅキは図らずも、口角を上げていた。
今までいなかった存在。友人だったり、家族だったり。でもラグナやハルトに続いて、ミライも自分と親身に接してくれている。それがたまらなく嬉しいのだ。
「良かった、ようやく笑ってくれた」
「い、今のは違うんです!」
「いいよ、隠さなくたって。それより、早くハルトに会いに行きたいんだろ?」
「う……はい」
「素直で何より。それじゃあ行こうか」
再び2人は、2つの捜索を続けた。
*
「征服って・・・どういうことだ?」
「そのまんまさ。ボクの国が、この広い王都を征服する。そうすれば、ボクの国の評価は上がるのさ」
「何のために…?」
「自己満足…だと言葉が悪いな。ボクはただ、『大陸の王』になりたいんだ」
ボクの国? 大陸の王? 言っている意味がよくわからない。
そもそもこんな少年が、国を持っているということなのか? それってどういう状況?
「…理解していない顔だね。簡単だよ。ボクの国もこの王都も、全ては同じ大陸上にあるだろ? そこで1番を目指すと言っているだけさ」
「そんなこと、できるのかよ…?」
「できるさ。人間風情がボクに勝てる訳がない。何せ、『鬼』の血を引いているからね」
「鬼…?」
鬼、というのは、頭に角の生えたアレのことだろうか。だが、目の前の少年がそんな大層な血を引いているようには、とても見えない。
「それも知らないのかい? どれだけ世間知らずなんだ、キミは。──鬼族というのは、最強に値する種族だよ。だから、人間という種族がボクらに敵う訳がないの。これでいい?」
「わざわざご丁寧に。それじゃあ、俺みたいな奴を倒すのは造作もないと?」
「その通りさ。ボクに勝負を挑んだのがキミの運の尽き。まぁいずれはウォルエナに喰われる運命だったと思うけど」
さて、情報収集のつもりが、とんでもないものを引き当ててしまった。あいつの言っていることが事実かどうかは不明だが、もし本当なら危険過ぎる。
『魔法が過剰に扱える少年』ならまだしも、『鬼の血を受け継ぐ、人から逸脱した少年』に勝てる訳がない。
マズい、マズすぎる。
まだハッキリしていないが、晴登と少年の間には、明確な力の差があ
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