第47話『ボス戦』
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あえず無茶苦茶な奴だ。人1人捜すのに、街を壊滅させる必要があるのだろうか。本当に、ユヅキを捜しに来ただけなのだろうか…?
「お前、ユヅキを見つけてどうするんだ?」
「あ、それを訊く? そうだな・・・まぁ、教えてやってもいいか」
考える仕草を少し見せたあと、彼は勿体ぶるように言う。
そんな高圧的な態度に苛つきを覚えてしまうが、ここは一旦落ち着くことにした。
あいつの話は、きっと聞く価値があるはず──
「ボクはね、この街を征服しに来た。ボクの国のことを、大陸全土に知らしめたいんだ」
「……は?」
*
「少年は見つかったかい?」
青年の問いに耳を傾けながら、ユヅキは辺りを捜し続ける。しかし、一向に晴登の姿は見つからない。
青年が加入してくれたとはいえ、状況はあまり好転してくれてないようだ。
「いえ、どこにも見当たらないです。それよりも・・・えっと…」
「…そうだ、まだ名乗っていなかったね。僕はミライだ。君の名も聞いておこうか」
「ユヅキです」
「捜してる少年は・・・ハルトだっけ? うん、覚えたよ」
ユヅキの逡巡を察し、青年は『ミライ』と名乗った。
でも、名を聞くのが目的だった訳でなく・・・
「それで…何の話だったっかな?」
「あ、えっと、ミライさんは何か手掛かりはと」
「ううん、全然見当もつかない。本当に君は何もわからないのかい?」
「はい……」
やれやれ、と首を振るミライに、ユヅキは申し訳なさそうに言う。
先程までとは違い、ミライはユヅキを疑うことをしなくなった。ただ、手掛かりが一切掴めないため、ユヅキが無実という証明ができないのだ。
「黒幕は必ずいる。見つけ出して、復讐してやるんだ」
ユヅキはその言葉に反応する。
さっきも聞いた『復讐』とは、彼にとってどんな意味なのだろうか。
「あの、1ついいですか?」
「ん、何だい?」
「ミライさんは、この街をどう思ってるんですか?」
恐らく脈絡のない質問だ。ミライさんもキョトンとした顔でこちらを見ている。
しかし、彼は質問の意図を悟ったのか、微笑みを浮かべて、
「僕はこの街が大好きなんだ。生まれも育ちもこの場所さ。だから護りたい。せっかく持ってる力だ、僕の大好きなものを護るために使いたい」
「力・・・それって魔眼のことですか?」
「いや、魔眼はあくまで体質として持ってるだけだ。僕には持つべくして持った魔法が、他にちゃんとあるんだよ」
ユヅキに笑いかけ、己を語るミライ。その姿を見て、ユヅキは感動を覚えた。
「街を護るって…かなり大きいことですよね」
「少な
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