第47話『ボス戦』
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る魔力をさらに削るのは、あまり良い選択とはいえない。
もし魔力が尽きれば、決め手に欠けるし、何より体力と比例しているから、いつかの伸太郎みたいに倒れてしまうだろう。
体術も、魔力もダメ。…てことは道がない。
「マジでヤバいじゃん…」
戦いに意気込むのはいいが、さすがに状況が悪すぎた。もっとも、逃げる選択肢はないのだが。
「随分と顔色が悪いじゃないか。どうかしたのかい?」
「人の顔色見れるぐらい余裕ってか。こっちの気も知らないで…」
「余裕に決まっているだろ。相手は満身創痍なんだし」
「そりゃそうか……」
相手からしてみれば、こんなボロボロな身体の奴に負ける方がおかしいのである。
攻撃もしてこないし、防御もしない。良いサンドバッグだ。
だからあいつが本気でやれば、晴登を倒すのは他愛もないはず。
「…つまり、結局は手加減してるんだろ。手数も少なすぎる」
「違うよ。ボクはまだ様子見のつもりなんだ。むしろ今の攻撃をそう思ってくれないと、さすがに弱りすぎでしょ」
「あぁそうですか」
少年の「当たり前」と言わんばかりの言い方に、晴登は吐き捨てるように返す。
正直、対等に渡り合える武器が“言葉”しかない。無論、諭して止めさせるとかは不可能なのは目に見えている。
「どうすりゃ切り抜けられる? 考えろ…!」
晴登は窮地を脱そうと、周りに気を配る。
偶然というべきか、ウォルエナの姿は1頭も見当たらない。恐らく、主人であるアイツがここにいるからだろう。
となると、不意討ちを喰らうことはないはず。だから、あいつとの1対1さえ制すれば、こっちのもんだ。
「こういう時は周りの地形を使ったりとか、何かしらのハッタリを仕掛けるとかすれば良かったっけな?」
こういう場面までマンガ知識に頼ろうとする自分が怖い。
しかし自分の記憶の中に、こんな状況に陥ったビジョンはない。だったら、何度もピンチになるマンガの主人公を真似するのが妥当なはずだ。
「でもこの場合は……? 『攻撃も防御もできない時の対処法』って……?」
しかし考えれば考えるほど、光が遠のいていく。
こんな絶望的な状況、さすがに見たことがない。自分の知能で打破するのは、どうも無理がある。
「いい加減、考えはまとまったかい? ボクだって、早く姉を探しに行きたいんだ」
「ユヅキをお前と逢わせる訳にはいかない。どんな関係だったか知らないけど、ダメな気がするからな」
「酷い言われようだ。所詮キミは余所者だろう? ボクらの問題に口を挟むなよ」
「関係あるさ。俺とユヅキは友達なんだから」
「はぁ…くだらない」
短気というべきか何というか、とり
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