明けちゃったけど正月の騒ぎ・その3
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……」
「今の提督は少年時代からの積み重ねの結果、ですか」
「野獣っぽい?」
等と、さんざんな言われよう。お前らなぁ、もう少し亭主を丁寧に扱っても良いと思うんだが?
30分程歩いただろうか、目的地である神社が見えてきた。鳥居の下では神主と巫女さんが待ち構えていた。
「どうも、新年明けましておめでとうございます」
「これはご丁寧に。ささ、ご祈祷を行いますので中へお進み下さい」
神主の先導で神社の奥へと進む一行。社殿の中へと通され、用意されていた椅子に着席する。……っと、その前にお供え用のお神酒を巫女さんに渡してからだな。
「些少ですが」
「ありがとうございます。供えさせて頂きますね」
「え〜それでは、鎮守府の方々のご祈祷を始めさせて頂きます」
そう言って神主がこちらに一度頭を下げ、祝詞を読み上げ始めた。なんでも、神様へとお願いしたい事によって微妙に内容が変化する……らしい。俺が予めお願いしてあったのは、鎮守府の家内安全・海運の安全・無病息災。商売繁盛だと戦争が激化しろ、と受け取られかねないので遠慮した。嫁艦達の方を見ると皆神妙な面持ちで祝詞を聞いている。日本の艦艇だけかもしれんが、艦内には神棚が設置されて神社の分社が置かれていた事もあってか、艦娘は意外と信心深い連中が多い。俺は無神論者というか、神頼みしないで自力で何とかする、という精神の持ち主なのであまり信心深いとは言い難い。だが、これで精神的な意味で少しでも艦娘に良い影響があるならそれでよし。使える物は何でも使うのが俺のポリシーだからな。
ご祈祷が終わったら、それぞれ破魔矢や御守りを買ったり、絵馬を書いたりしている。俺は一人も欠ける事が無いように、と絵馬に書いて奉納させてもらった。他の連中の大多数の願いが何というかその……ピンク色過ぎたので紹介は止めておく。
「あら提督、貴方も御神籤引かない?」
声をかけてきたのは陸奥。それと扶桑と山城も傍らにいる。こう言っちゃあ失礼だが、何故この3人で固まっているんだ。
「毎年買ってるんですが、殆ど凶ばかりで……」
とは扶桑の談。マジかよ、逆にスゲェな……。まぁ、今年最初の運試しだ、引いてみるか。
「えぇと、47番」
御神籤を引いて出てきた番号を巫女さんに告げると、紙を手渡された。
「お、大吉」
「あら、羨ましい」
今年もいい一年になりそうだな、とぼんやり考えていると、いきなり突風が吹いた。
「おっと」
咄嗟に飛ばされない様に御神籤を強く握る俺。しかし、
「「「ああっ、御神籤が!」」」
どうやら3人の御神籤が風に巻き上げられてしまったらしい。
「「「待ってぇ!」」」
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