プロローグ
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ぞ、それじゃカッコイイの頼むぜ古城」
「おい、待てよ!!もうちょっと心の準備とかってもんがあるだろ!?」狼狽する古城を無視して準備を始めていく基樹と人工島管理公社の者達。
数分して準備が出来たのか基樹が手を振っている。
「はぁ…マジでやるのかこれ…」
「先輩、頑張ってくださいね?くれぐれも眷獣を暴走させたりしないでくださいね」雪菜の笑顔に後押しされ覚悟が決まる古城。
「じゃあ、始めてくれ」
1人取り残されたことで不貞腐れながらスマートフォンをいじっている浅葱の周りから見慣れた声が聞こえてきた。
「もう、これ喋っていいのか?」聞き間違えるはずがない古城の声だ。
街中のテレビや携帯電話の画面に白いパーカーを着た気だるげな少年が立っている。
騒いでいた住民や魔族たちも自然とそれぞれの画面に注目した。
「初めまして、オレは暁 古城っていう。大変な時だとは思うけど少し話を聞いてくれ。オレは第四真祖だ。」画面の白いパーカーの男は何気ない風に言った。
しかし、昂っていた住民たちにはただの悪ふざけに聞こえたのだろうか。
口々に文句を言いブーイングの嵐となった。
「あいつ、いきなりなにやってんのよ…」知り合いの不手際に頭を抱える浅葱。
怒った住民たちの意識が画面の少年から離れていきかけたときだった。
「はぁ…やっぱり普通にしてもダメか…」画面から大きなため息が聞こえてきた。
「焔光の夜伯血脈を継ぎし者、暁 古城が汝の枷を解き放つ―――!疾く在れ、五番目の眷獣"獅子の黄金"」パーカーの少年の叫び声とともに腕から真紅の血霧が吹き出しキーストーンゲートの屋上に電気を纏った巨大な獅子が姿を現した。
島の中心部から爆風が駆け抜け、騒いでいた住民達は皆、画面に釘付けとなった。
パーカーの少年 暁 古城に島中の者の注目が集まったが、少年が気だるげに発した言葉はあまりにも短かった。
「今日から、絃神島はこのオレ第四真祖が支配して守ってやる。」
ただそれだけの数秒の台詞を残して画面は暗くなってしまった。
しかし、島の住民達にはそれだけでよかったのだ。
第四真祖という圧倒的な力が自分たちを守ってくれる。その事実が人々から不安を消し去った。
こうして、魔族特区・絃神島は第4の夜の帝国としての1歩を踏み出したのだった。
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