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Three Roses
第二十七話 戦いのはじまりその九

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「この国をロートリンゲン家のものとすることです」
「そうですね」
「はい、しかし」
「お姉様は」
 マイラ、彼女はというと。
「それでもいいとです」
「思われていますね」
「ロートリンゲン家のものになろうとも」
 彼等の国がだ。
「血は半分ずつです」
「エヴァンズ家のものもある」
「ですから」
「はい、そうですね」
「そうですね、しかしそれでもですね」
「実質的にはです」
 太子の思惑通りにいくと。
「この国は多くの国や領地の様に」
「ロートリンゲン家のものになりますね」
「まさに」
「それが太子の狙いですし」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうなります」
「私としましては」
 マリーは新教の者としてそしてエヴァンズ家の者として話した。
「旧教の勢力に復し」
「そしてロートリンゲン家のものになることは」
「望みません」
「それではですね」
「この国はこの国でなくなります」
「王国であろうとも」
「帝国の一部です」
 それになるというのだ。
「まさに」
「その通りです、やはりです」
 またロドネイ公が語った。
「ここはです」
「絶対にですね」
「はい、この国はこのままでいくべきです」
「それが正しい道ですね」
「新教を選び教皇庁の軛から脱し」 
 実際に教皇庁からは様々な介入を受けて正常な発展も妨げられていた。だからエヴァンズ家は新教を選んだのだ。旧教である周辺諸国との対立の激化を招くとしても。
「そして」
「正常な発展が、ですね」
「出来る様になりました」
「ならば」
「このままです」
「はい、新教であるべきですね」
「その通りです」
 まさいというのだ。
「ですから」
「はい、旧教の信仰は否定せずとも」
 信仰は許していることをだ、大司教は話した。
「新教であってこそです」
「このくには正しく動く」
「ですから」  
 まさにそれ故にというのだ。
「旧教の復権はなりません」
「その通りですね」
「太子はあくまで帝国の方です」
「帝国、ロートリンゲン家の利をですね」
「考えておられます」
 それを当然として、というのだ。
「まさに」
「帝国には帝国の求めるものがあります」 
 デューダー卿もマリー話した。
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