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Three Roses
第二十七話 戦いのはじまりその七

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 そしてだ、今回もというのだ。
「だからよいな」
「それでは」
「今からそれを進めていきますか」
「諸侯達の取り込みも」
「それもまた」
「いや、それはだ」
 太子は側近達の言葉には今はと返した。
「まだだ」
「それを進める時ではないですか」
「そう言われますか」
「今は諸国の諸侯達の中で王国の息がかかっている者達を退場させていっている」
 失脚させたり暗殺したりしてだ、そしてその家には無色の者かロートリンゲン家若しくはエヴァンズ家寄りの者を主に据えさせていく様に仕組んでいっているのだ。
「それが済んでだ」
「そしてですか」
「さらにですか」
「旧教の復権と子を為すことだ」
 この二つをまた言うのだった。
「そうしたことが済んでからだ」
「まずはですね」
「地盤を固めてからですか」
「そしてそのうえで、ですね」
「諸侯の取り込みをはじめますか」
「優先順位を定める」
 確かな声での言葉だった。
「全て同時に行っては全てが成らないな」
「はい、確かに」
「力には限りがあります」
「全てに力を向けますと」
「どちらに向かう力も弱くなります」
「そうだ、だからまずはだ」
 先に行うことはというのだ。
「旧教の復権と子を成すことだ」
「王国寄りの諸侯達の粛清と」
「それもですね」
「そうだ、それを進めるからだ」
 だからだというのだ。
「今はですか」
「それをしない」
「そういうことですか」
「そうしていく、まだやるべきことは多い」 
 諸侯達の取り込みに移るまではというのだ。
「ではいいな」
「わかりました」
「ではまずはそうしたことを進め」
「そしてそのうえで」
「そちらにですね」
「ことを進めていく、そこまでしてだ」
 諸侯達まで取り込んでというのだ。
「この国を治められるからな」
「万全にですね」
「それが成りますね」
「それでは」
「ことを進めていきましょう」 
 側近達も応える、ことは実際にまずは旧教の復権と夜のことからだった。旧教と新教についての学問と共にだ。
 太子は夜の仕事も行いことを進めていた、それはマリーも知っていてだ。
 側近達にだ、こう言った。
「若しお姉様にお子が出来ましても」
「それでもですね」
「打つ手はある」
「そうなのですね」
「新王にお子が出来れば」
 そうなればというのだ。
「いいのですから」
「王であるあの方にですね」
「あの方が成人なされば」
「それから」
「そうです、ですが」
 ここでまた言ったマリーだった。
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