第7章 聖戦
第159話 追儺
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や国の進み行く先を皆にちゃんと説明し、納得させる事が出来なかった、と言う事だから。
そう、この場所には系統魔法使いの奴よりも多くの精霊を従える事の出来る俺やタバサたちがいる。そもそも、このヴェルサルティル宮殿内で魔法を発動出来るのは、ガリア王家の人間と、王により認められたごく一部の人間のみ。その場所で、精霊に嫌われる系統魔法使い、更に王に認められていない……と言うか、そのガリア王を害しようとするジャック・ヴェルフォールに魔法を発動させられる訳がない。
少なくとも、俺の見鬼が捉えている奴の姿の中に、奴自身が従えている小さき精霊たちの姿が存在していない事は間違いない。
但し――
「悪魔の技などではなく、より洗練された新しい魔法ですよ、ヴェルフォール卿」
近い将来にはリュティスの魔法学院でも教えるようになるでしょう。
何時の間にか対峙する俺と黒い魔法使いの間に割って入っていたタバサを庇うように、一歩前に強く踏み出しながらそう言う俺。
相変わらず、ガリア王国王太子ルイのペルソナのままで。
一瞬、不満そうな気配を発するタバサ。但し、俺を見上げた表情に関しては何時も通りの無。まして、その感情も言うほど強い物などではなく、非常に淡い気配。おそらく、俺以外の人間では絶対に感じ取れないほどの淡い感情だと思う。
もっとも、この精霊と契約を交わすタイプの魔法。……俺の世界では至極当たり前の魔法を、このハルケギニア世界の魔法学院で教えるようになる頃には、精霊と契約を交わす事の出来ない見鬼の才のない者には、呪符などを使用しない限り魔法を行使する事が出来なくなっているとは思いますが。
王権の剣を右手に。……しかし、その剣を構える事もなく、ただ無防備に立つだけの俺。
心の中はやや皮肉に染まった感情で、積極的に動き出す素振りさえ見せずに。
そう当然、この程度の系統魔法が頼りのハルケギニア世界標準タイプの騎士など一瞬の内に制圧して仕舞える。……制圧して仕舞えるのだが、それではこのイベントを画策したイザベラのお気に召す結末にはならない。
……と思うから。
彼女の予定では、完全に。グウの音も出ないような圧倒的な勝利の瞬間を、この場に集まった貴族たちの目に焼き付けたい。そう考えていると思うから。
少なくとも俺がイザベラの立場なら、そう考え、計画実行すると思うから。
先ず、相手に先手を取らせるのは必須。出来る事なら二、三発無駄に殴らせてから捕まえる。当然、その際に相手を殺す訳には行かない。圧倒的に有利な場所での戦いであるが故に、確実に生きている状態で奴を捕らえる必要がある。
それも出来るだけ優雅に。まして、ギャラリーに被害など出さずに。
……おっと、コイツが
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