第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#42
FAREWELL CAUSATIONU〜Double Detonation〜
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文字通り “流れ” を引き寄せたシャナ、うねる激流の中、
上下の区別も付かず攪拌されるソラトの悪形に対すれば負傷も戦力差も関係ない。
(さあおまえ、 “ナニになりたいの?” )
遠方にて絶戦を繰り広げる無頼の貴公子が乗り移ったかのように、
弛まぬ闘志を漲らせてシャナは水縛の獣に訊いた。
(このまま刃に斬り刻まれて細切れになるか、
それとも水圧の廻転に擂り潰されて粉々になるか!
どっちでも好きな方を選びなさいッッ!!)
渦の勢いに促進されて威力を増した刃が装甲の隙間に無数突き刺さり、
内部ソラトの力を殺いでいく、それは時間が経過すればするほど
雪達磨式に累積していく。
泳いで水面には逃がさない、この射程は渡さない。
炎を主体とする “フレイムヘイズ” の戦闘スタイルとは著しく異なるが、
コレが 『スタンド使い』 と交わった者の成長、
能力のみに頼らず状況の全てを利用し対応する。
『LUUUUUUUUUUUUUUGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAA―――――――――――――ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!』
さしもの獣王も、自身の躯が重枷となり
尚かつ平衡の感覚がメチャメチャに掻き乱される
この状況では満足に動く事が出来ない。
狂暴な牙も爪も、水の中では虚しく空転するしかない。
スタンドの中にも、ある 「限定的」 な場所や条件でなければ
能力を発揮出来ないモノがある。
しかし長所と短所は 「表裏一体」
恒常的に使えないリスクを孕む事によって
生じるリターンは途轍もなく大きい。
これはソレと全く同じ現象、通常の戦闘とは違う、
スタンドバトルの異能定跡。
単純なパワーやスピードだけでは勝てない、
それはそっくりそのまま敵にも当て嵌まる。
空条 承太郎との度重なる戦闘訓練、戦闘経験、
その交わりによって少女は己でも気づかぬまま、
『スタンド使い』 の戦闘思考法を身につけていた。
「お兄様ッ!? いけない! 衰弱してもう藻掻く事も出来ないようですわッ!」
直上20メートル、無理に飛び込んでも兄諸共 “渦刃” の餌食になる事は
解っているので焦燥に歯噛みするしかない愛妹。
何とか大樹を遠隔操作して運河に叩き込み
渦を消そうと鑑みるも、時間が掛かり過ぎる上に精神集中も覚束ない。
このまま黙って見殺しにするしかないないのか、出来る事は何もないのか、
敬愛するアノ女性ほどの絶大な能力が己に在れば、
雫の滲む双眸にて石畳を叩いた瞬間。
『LUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO
―――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!
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