暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic22スカリエッティ〜Jail & Prison〜
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体を提供してくれたよ。ある日、いつも通りに素体が送られてきた・・・!」

プライソンが初めて喜と楽以外の感情を見せた。純粋な怒りだ。彼は続ける。その送られてきた素体というのが、彼女の遺体であった事を。ジェイルはその言葉と感情にあてられ、辛そうに眉を顰めた。

「最高評議会は事故死だと抜かしたよ。どうせ暗殺したのだろ。1111部隊はその当時から存在していたしな。それだけでも俺を怒らせるのに十分だ。だがあのゴミ共は、彼女の遺体を素体に使えと送り付けてきた! 解るか、この気持ちが!」

とうとう怒鳴り声を上げたプライソン。今の彼からは想像も出来ない程に、彼は人間を愛していた。今のジェイルと同じだ。だが、愛する女性を喪った事が彼を狂わせた。

「・・・では何故、最高評議会ではなく地上本部をターゲットにした?」

「もちろん最高評議会を殺してやろうと思った。だがあそこには、究極のモンスター・リアンシェルトが居る。レーゼフェアですら手に負えないというのに、それ以上のモンスターを敵に回すほど俺も馬鹿じゃない。ただ、ある意味で死んでもらうがな」

「なに?」

「お前としても、最高評議会は目の上のたんこぶだろ? あのような老害、居なくなった方が世のためだ」

「・・・・」

ジェイルが黙る。最高評議会が邪魔だと考えているのは彼も同じだった。プライソンは続けて、「そしてもう1つ。これこそが俺の真の、何としても叶えたい動機だ」“スキュラ”達ですらも知らない計画の全容を語った。ジェイルの顔が見る見る内に青褪めていく。

「そ、そのような事のために、そのようなくだらい事のために、ミッドチルダを滅ぼす気だというのか! なんと愚かな!」

「なんとでも言え。さぁ話は終わりだ、ジェイル。殺るなら徹底的にな! 仕損じるなよ!」

プライソンの余裕さに奥歯を噛んだジェイルだが、「言われずともね!」“アナンシ”をはめた右手をギュッと勢いよく握った。ギチギチと音を鳴らしながらプライソンの体を拘束している絃が引き絞られる。
そしてブチッという音と共に、その体がバラバラに千切られた。血の雨が降るとよく言う。今のプライソンは正にそれだった。ドチャッと嫌な音を発しながら床にぶち撒けられた彼の遺体。血の臭いがトレーニングルーム内に満ちていく。

「・・・・こんなにも呆気ない終わりとは」

ジェイルがそう漏らした直後、『こちら救出班』ドゥーエとセインから通信が入った。展開されたモニターには、意識を失っているらしいフォルセティを抱っこしているドゥーエと、意識があるのか目を開けているヴィヴィオを抱っこしたセインの姿が表示された。

『ドクター。ヴィヴィオとフォルセティを発見、保護しました』

「そうかい。それは良い知らせだ。・・・ヴィヴィオ君。は
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