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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Eipic22スカリエッティ〜Jail & Prison〜
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ない!」

斬撃途中だった絃は急に方向転換をし、プライソンの背後に迫る。そして「チッ・・・!」絃はプライソンの両足首に巻きつき、彼を宙へと吊り上げた。そこからまた床や壁、天井に叩き付け始めた。

「おいおい。殺すのならせめて一思いにだな」

(これだけの衝撃ですらまったく堪えていない・・・。同じスカリエッティでも、私では死んでいるぞ・・・)

骨が砕け、筋肉が千切れる音が続く中、それでもプライソンは意識を失うどころか全くと言っていいほどに余裕だ。ジェイルはその不気味さに怖気が走った。プライソンもいつまでも振り回されているつもりはなく、体を屈めて足首に纏わりついている絃を掴み、「ふん!」引き千切った。

「させんよ!」

――ガーネットランス――

宙から床へ落下中のプライソンへ向けて、新たに5本の絃を槍の如く放ったジェイル。プライソンは空中でありながらも身を捩らせてこれを回避。絃は一旦消え、プライソンが着地するかどうかという一瞬に・・・

――ガーネットラッシュ――

50本の糸が、10本1束で構築された大きめの槍となってプライソンに殺到。1発でも入れば後はされるがままに突っつかれまくるのみだ。現にプライソンも最初の1発をもろに受け、壁に叩き付けられた後は成す術なく連撃を受けている。
そしてとうとう、ラッシュ中の絃の束の中から引き千切れたプライソンの左腕がゴロッと落ちて来た。その直後、5束の絃の槍が一斉に弾け飛んだ。光となって霧散する絃の中、プライソンがフラフラとした足取りで歩いてきた。

「俺の体にここまでの損傷を与えられたのは、お前が初めてだよ・・・」

ジェイルから10mと離れた位置で立ち止まったプライソンが微かに笑みを浮かべた。ジェイルは一言も発することなく、「ガーネットバインド!」絃を放ち、プライソンの左手首、両足首、腰、首の5ヵ所に巻きつかせた。

「プライソン。トドメを指す前に、君の本当の目的を聞いておこうか」

「・・・まぁ、お前になら目的を話してもいいな。1つは管理局への・・・、正確には最高評議会への復讐だ。40年前、俺にはたった1人だけ愛した女が居た」

諦観めいた息を吐き、プライソンは語り出す。かつて、自分が人工的な存在で、寿命が遥かに長い存在であり、最高評議会の命じるままに技術を生み出し提供する道具だと伝えながらも、プライソンの側に居ると決めた女性が存在していたことを。当時の管理局員で、裏に潜っていたリアンシェルトに代わり最高評議会の世話役だった、と。

「こんな子供の姿(オレ)でも、愛をくれたたった1人の・・・。その頃、俺は人造魔導師の計画を進めていた。酷い作業だったよ。そんな生死を問わない肉体を実験に使うその計画には、常に素体が必要だった。最高評議会は、いつも通りに素
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