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相模英二幻想事件簿
File.2 「見えない古文書」
epilogue 8.19.PM1:08
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そうだ。それは七海さんと直哉氏たっての希望で、無論、櫪家現当主である夏希氏も了承している。
 自分達の未来を守ってくれた祖母。他の誰よりきっと、皆の幸福を願ってたに違いない。そんなキヌさんを…私も生涯忘れることはないだろう。

「あなた、そろそろお客様がいらっしゃる時間じゃない?」
「そうだな。今度はどんな依頼がくることやら。」
「ま、危なくなければ良いわよ。」
 亜希はそう言うや、笑いながら出ていった。お茶の用意でもしてくれるのだろう。
「よし、これはあのファイルに綴じてと…。」
 少しずつ厚くなってゆく“幻想事件簿"は、表に出ることの無い事件…。これが何の役に立つのかは分からないが、いつか公表するかも知れない。いや…このまま眠らせ続けた方が良いかもな…。きっと、あいつ…藤崎だったらそう言うだろう。

 今日も快晴だ。青空には白い雲がのんびりと漂い流れてる。こんな閑な風景とは裏腹の私の仕事は、ともすれば、自ら嵐の中へと飛び込んでいる様なものかも知れない。
 だが、自分で選んだ路だ。何があろうと、ただそれを成し遂げるまでだ。

 私は昼下りの眩しい青空に、そっと…そう呟いたのだった。



     File.2 end




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