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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part6/赤い炎の記憶
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あんたの望みを聞けるだけ聞いてやろうじゃないか」
しかし、彼は次にメンヌヴィルに対し…衝撃の一言を告げたのだ。

「降参してくれ。私は、魔法で人を殺さぬと決めたんだ」

なんと、追い詰められている立場だというのに降伏を呼びかけてきたのだ。
「…ぼけたか隊長殿。あれだけ何のためらいもなくダングルテールを、女や子供もろとも焼き殺したあんたが。それに今の状況をわかってのことか?」
闇の力を…メフィストの力と20年間もの修練の力を得て、無敵のメイジと化したメンヌヴィルに負ける要素など見当たらなかった。何より、自分がチェックメイトを詰んだくせになぜ自分に降参を申し出る?メンヌヴィルは耳を疑った。
「それでもお願いだ。君がそうなってしまったのも、私の責任でもあろう。だからこの通りだ」
さらには、杖を置いて膝を付いて土下座までした。目では見えないが、コルベールが何をしたのかメンヌヴィルは理解した。プライドを感じない行為に、メンヌヴィルのコルベールに対する一種の憧れの思いが………反転して、迸る憎しみと軽蔑に一変した。
「…俺は…貴様のような腑抜けを…20年も追っていたというのか!!!」
猛獣のように激しく歯ぎしりし、吠えた。鉄製メイスを棍棒のように振り回した果てに、地面に叩きつけてえぐった。
「許さん…じわじわとあぶり焼いて指先からローストし、ビースト共の餌にしてやる…お前がやたら気に掛ける学院の連中共も一緒にな!!」
コルベールを見下ろしながら、怒りのあまり息を荒くするメンヌヴィルは、とことん生きたことを後悔させるくらいにコルベールを殺すことにした。さらには、学院の人々さえも最も残酷に思える手段で。
「これほどお願いしてもだめなのか」
「くどいわ!!」
哀しげにつぶやくコルベールに、メンヌヴィルは杖を振り下ろした。同時にコルベールは杖から一発の証明にもならない小さな火球を打ち上げた。
なんだ、イタチの最後っ屁のつもりか?メンヌヴィルは気にも留めなかったが…それが彼の運命を決めた!

コルベールの放ったその火球はメンヌヴィルの頭上で…小さい火の玉から発せられたとは思えない爆発を起こした。

膨れ上がるその爆発は、メンヌヴィルを牢獄のように閉じ込める。
その魔法は…コルベールだけが持つ、人間を確実に『殺す』ための魔法、〈爆炎〉。
火二つ、土が一つのトライアングルスペル。錬金の魔法で空気中の水蒸気を気化した燃料油に変換し、空気と攪拌したところを点火して火球に変えて爆発させる。
それは炎に包まれた人間から酸素を焼き尽くして奪い、『窒息死』させる、まさに死の魔法だった。
この魔法は周囲の酸素さえも奪う。だからみんなから離れた場所にメンヌヴィルを誘い込んだ。
「ぐああああああああ!!!」
メフィストの姿だったのなら、全くダメージは
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