808部分:第百二十六話 先の先をその二
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第百二十六話 先の先をその二
その言葉でだ。さらに言うのであった。
「それでは」
「これだ」
言ってであった。放った技は。
「むっ、それは」
「タイタンウノヴァ!」
放った技はそれだった。それで技を相殺しにかかったのだ。
その地震を見てだ。エリスも言う。
「ふむ」
「驚きも侮りもしないのだな」
「驚く?何をじゃ?」
その返答には悠然と笑って返すのだった。
「何を驚くのじゃ」
「私相手ではとでもいうのか」
「それは侮るということでもあるな」
「確かにな。そうなるな」
「それはない」
侮りはないというのである。
「貴様の強さはわかっておる。尋常なものではない」
「尋常なものではか」
「左様じゃ。わかっておるのじゃ」
まさにそうだというのであった。
「だからじゃ。侮ることはない」
「だからだというのだんだ」
「狂闘士は相手が誰であれ全力で倒す」
「獅子の心か」
「そういうことじゃ。そして驚かないのはじゃ」
それの話もするのだった。話はそこにもなった。
「同じじゃ。貴様のことをわかっているからよ」
「黄金聖闘士の全ての技を使えることがか」
「如何にも」
まさにその通りだというのだった。
「その通りじゃ。さすればその技を使ってきてもじゃ」
「驚くことはないか」
「そういうことになる。そうしてじゃ」
ここまで話してだ。言葉を変えてみせてきた。
「この技で血の海を消すか」
「相殺する」
消すのではなくそれだと。こう言いはするのだった。
「海と大地の戦いになる」
「言っておくがこれはポセイドン様の海とはまた違うぞ」
「アーレスの海だからだな」
「それを大地の力で相殺できるものなのか」
「できない算段があって出すようなことはしない」
サガはまたエリスに告げた。
「では、だ」
「さて、どうなるかのう」
大津波の下から地震が起こってだった。そして激しい衝撃と衝撃がせめぎ合いだった。世界が壊れるかの様な激しい轟音が鳴り響いた。
海が割れ大地が砕ける。そしてその先にあったものはだ。
二人だけだった。両者が立っているだけであった。
エリスはここでだ。さらに言ってみせてきた。
「ふむ」
「何とか防いだな」
「相殺したのは事実じゃな」
「言った筈だ、先の先を読む」
またこのことを言うシオンだった。
「この通りだ」
「先の先を読んで動き手を打つ」
「そうして戦う者こそ教皇」
「では。さすればじゃ」
「さすれば?」
「読めぬ技を出すとしよう」
妖艶ですらある凄みのある笑みを浮かべてである。そのうえでの言葉だった。
「それをじゃ」
「切り札か」
「そうとも言う。このエリス最大の技」
エリスの声にもだ。凄みが宿っていた。
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