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Blue Rose
第三十七話 生まれた陰その七

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「寝室のベッドの傍にバット置いてるしな」
「金属バットね」
「リビングには警棒もあって」
「そういうので万が一の時は」
「侵入者を撃退するつもりなんだよ」
 言うまでもなくそのバットや警棒で以てだ。
「本気でな」
「そうよね、私もね」
「バットとか警棒をか」
「警棒はいつも持っていて」
 二段式の特殊警棒だ、言うまでもなく用心の為である。
「居間にはバットがあるわ」
「よし、それじゃあな」
「大丈夫よね」
「スタンガンもあるんだろ」
「そっちもね」
 持っているとだ、優花は答えた。
「ちゃんとね」
「ならいいさ、本当にな」
「こうしたことは」
「自分で何とかしないといけないからな」
「自分の身は自分で守るね」
「幾ら日本が治安がいいっていってもな」
 それでもとだ、龍馬は優花にこうも言った。
「用心はしないとな」
「用心に用心を重ねて」
「身体を守らないと」
「よく言われているから」
「そこもしっかりしてるならいいさ」
 龍馬は微笑んでだ、優花に話した。
「自分のことはしっかりしてくれよ」
「ええ、そうするわ」
「そして御前一人じゃどうしようもないとな」
「そうしたことには」
「そうした時にはな」
 こうも言った龍馬だった。
「俺がすぐに来るな」
「この長崎に」
「それこそ何があってもな」 
 明るい、淀みのない笑顔での言葉だった。
「俺はすぐに来るな」
「そうしてくれるのね」
「優子さんだってそうだよ」
 彼女の姉もというのだ。
「それこそすぐにな」
「来てくれるのね」
「そうだよ」 
 満面の笑みでの言葉だった。
「だから安心してくれよ」
「私は一人じゃないってことね」
「そうだよ、だから御前一人じゃどうしようもないとな」
「その時は」
「俺と優子さんがいるからな」
「安心していいのね」
「それにここにだっているだろ」
 龍馬はこの長崎の人達のことも話した。
「御前が頼りに出来る人達は」
「ええ、療養所の人達が」
 岡島や副所長、彼等のことをすぐに思い出した。
「いてくれているわ」
「だったらな」
「その人達を頼って」
「そうしていけよ」
 一人ではどうしようもない時はというのだ。
「俺達もすぐに駆け付けるからな」
「わかったわ、それじゃあ」
「本当にな、御前は一人じゃないんだよ」
「龍馬も姉さんもいて」
「この長崎にだっているんだ」
 だからだというのだ。
「頼りにしてくれよ」
「それじゃあな」
「ええ、悪い気がするけれど」
 龍馬達を頼ることはとだ、優花は彼女が持っているよい資質の一つである謙虚で控えめなものも出した。
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