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レインボークラウン
第三百九十七話

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               第三百九十七話  姉も飲む
 赤音は朝から牛乳を飲むつもりだった、朝食の時に自分のコップにそれを入れようとしたその時にだった。
 姉の葵がだ、彼女に言ってきた。
「待って、私もね」
「牛乳飲むの?」
「そうするわ」
 こう妹に言った。
「今日は朝からね」
「そういえばお姉ちゃん朝は」
「いつも紅茶でしょ」
「ええ、そうよね」
「それでもね」
「今日は」
「牛乳にするの」
 こう言って赤音が飲んでいた牛乳を妹が入れ終えてから自分が受け取ってそのうえでだった。自分のコップに入れて一口飲んだ。
 そしてだ、こう妹に言ったのだった。
「髪の毛にもいいのよ、牛乳って」
「髪の毛?」
「そう、牛乳は栄養の塊でしょ」
「それは知ってるけれど」
 赤音にしてもだ、このことは知っている。
「けれどなの」
「そう、カルシウムと蛋白質ね」
「そういうのがいいのね」
「そう聞いたから」 
 だからだというのだ。
「これからは朝はミルクを飲む様にすることにしたわ」
「そうするの」
「ただ、これまで通り紅茶もね」
 こちらもというのだ。
「飲むわ」
「そっちもなの」
「そう、飲んでいくから」
「つまり両方飲むの」
「ミルクティーにしてもいいしね」
 こちらもというのだ。
「どっちにしても牛乳も飲んでいくわね」
「髪の毛の為にも」
「そうよ、そうしていくわ」
「お姉ちゃん髪の毛あるのに」
「禿げるとか?」
「いや、それはないわ」
 葵もそれは確かだと返す。
「私もまだ十代だしね」
「というか女の子って禿げるの?自分で言ったけれど」
「それ朝から知りたい?」
 ここでだ、葵の態度が変わった。
「だったら話すけれど」
「真剣な話なのね」
「そうよ」
 姉はこう前置きした、そのうえで今は妹の反応を待つのだった。


第三百九十七話   完


                     2016・11・25
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