第九幕その七
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「休んで食事は」
「それは、ですね」
「出来ないので」
「無作法ですが歩きながら食べるということで」
安座間さんも先生に言ってきました。
「宜しいでしょうか」
「それでは」
「お握りやサンドイッチがあります」
ここで安座間さんは海苔に包まれた三角系のお握りを出しました、日本人なら誰もが好きそうなそれをです。
「如何でしょうか」
「お握りですか」
「先生もお好きでしょうか」
「大好物の一つです」
先生は安座間さんににこりと笑って答えました。
「とてもいい食べものですね」
「それでは」
「はい、お握りを」
「どうぞ、動物の皆も」
先生が連れている動物達も見ます、水槽は老馬の背中に固定されて乗せられていてとても安定しています。
「食べものを」
「それでは」
動物の皆にもお握りやサンドイッチを手渡してでした。
そしてです、皆で歩きながらお昼を食べます。
その中で、です。先生は言うのでした。
「こうして歩きながら食べることは」
「先生殆どないよね」
「基本的にテーブルやちゃぶ台に座ってで」
「そうして食べるからね」
「歩きながら食べることは」
「先生は滅多にしないね」
「食事とか飲むことは座って食べる」
先生は皆に答えました。
「イギリスではそこは厳しいからね」
「先生はお医者さんでね」
「それなりに立場があるからね」
「イギリスで立場がある人はね」
「そうしたお食事出来ないんだよね」
「そうだよ、マクドナルドみたいに立って食べることも」
そうしたこともです。
「よくないんだよ」
「ましてや歩きながら」
「そうして食べることは」
「余計にだね」
「駄目だったんだね」
「うん、日本も礼儀に厳しい国だけれど」
先生は皆にお握りを食べながらお話をします。
「こうしたことは比較的ね」
「何も言わないから」
「だからいいんだね」
「先生って呼ばれる人が食べても」
「それでも」
「そうだよ、いいんだよ」
日本ではと言う先生でした。
「気にしなくていいよ」
「うん、じゃあね」
「僕達もこうしてね」
「歩きながら食べようね」
「今回はね」
「そうしようね」
動物の皆は先生に適度な大きさにしてもらってお口で受けながら食べています、そうして歩きながら食べて波止場に戻ります。
その時にです、ふと。
先生は皆にです、こんなことも言いました。
「ハイの皆が僕の言うことを信じてくれて嬉しいし」
「嬉しいし?」
「っていうと?」
「うん、その信頼には絶対に応えないとね」
このことをお茶を飲みつつ言いました。
「やっぱり」
「信頼には応える、だね」
「何といっても」
「それが人として大事なことだから」
「絶対にそうしないといけ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ