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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三五幕 「クラッシュ・パフォーマンス」
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にベルくん渡すとか論外だよね。





 私はまるでそれが当然のことであるかのように身体とクローの隙間に手を翳し、高速切替の指定座標をクローとじぶんの隙間に設定した。
 量子化を固形物等が存在する場所で行った場合、安全装置が発動して量子化そのものがキャンセルされる。でもそれは普通のISの話であって、『アルキミア』の話ではない。通常ISと違って特別性のアルキミアの技術を使えば、もっと違う事が発生する。

 捕まることなんて別に最初から知ってたし、何も作戦立ててなかった訳でもないし、このまんまなぶられて殺される気なんてさらさらないし。

 量子化を物質と重なる場所で強制的に行った場合、物質と量子化物が融合して使い物にならなくなるのだが、絶対防御の及ぶ存在だったら別だ、無理やりにでも弾かれる。私は腹を掴むクローの両脇に引っ掛かるよう『曼殊沙華』を展開し――。

 バッチィィィィィィンッ!!!

「な、何をッ!?何をした!!」

 ここで初めて驚愕に目を見開くルマリーさん。彼女の足のクローは曼殊沙華が突然内部で実体化したことで無理やりに弾かれたのだが、そんなこと説明してあげる必要もない。無理やり展開したせいで曼殊沙華の両端が破損して一発撃てば壊れる状態だけどそんなこともどうでもいい。

 私は『発射可能状態で展開した』曼殊沙華のバレルを自由になった手で掴み取り、クイックブーストで無理やり全身に回転を加えながらぶん回す。

「お前みたいな危険人物にベル君お婿に出す訳あるかぁぁぁぁぁーーーーーーーッ!!!」
「へぶーーーーーーッ!?」

 曼殊沙華の銃底をフルスイングで顔面にぶつけられたルマリーさん――いや、もう呼び捨てでいいや。危険人物ルマリーは極めて間抜けな悲鳴をあげながら、海の方へ吹き飛んでいった。そのルマリーさんに向けて機械的に曼殊沙華を発射し、海面でチュドーーーーン!!と大爆発が起きた。

 潮と爆風が吹き荒れて下の人たちが更に混乱しているが、そんなことはお構いなしに私は通信回線をオープンにして威風堂々と宣言する。

「私の目が黒いうちはベルくんには指一本触れさせないんだからね!?」


 ――そうです、時間稼ぎからの不意打ちまで、全ては私の計算のうちです!!
 
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