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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三五幕 「クラッシュ・パフォーマンス」
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馬鹿たちを選挙で選んで、自分たちは何もかも忘れたみたいにのうのうと生きてる大人とか、蛆より不愉快なんだよ。観光客はもっと嫌い。思い出の溢れるこの土地に土足で入り込んで、ここで起きた事なんて知りもしないどうでもいいことだと思ってる」
「それは……」

 良く分からないけど八つ当たりじゃない?と口にしようとして、やめる。
 何か、話がマズイ方向に流れている焦燥感がある。刺激するのはまずい。
 彼女の独白じみた言葉が続いていく。

「そりゃ死んだ人のうち7人は唯の屑だし、どこで死のうがどうでもいいんだよ。でもそのうち二人は子供だったんだよ?もう一人は警察官だったんだよ?――パパだったんだよ、私の?」
「ッ!?」

 瞬間、はっきりと感じるほどにどす黒く濁った彼女の負の感情が言葉と共に溢れた。

「気持ち悪い気持ち悪い、みんな気持ち悪い。あんなことを起こしたベルーナを知らないくせに。ああなる前のベルーナを知らないくせに。あの後のベルーナを知らないくせに。知らないくせに知った気になって過去を置き去りにして、新聞の三面記事の端に追いやって!!」
『マスター、いけません!!』
『何が!?』
『ロックオン警告が解除されました!!彼女は『別の場所に撃つ気』ですッ!!』
「見なよ下のゴミ共を。物珍し気にスマホ出してのん気に所属不明ISを撮影なんかしちゃって、人をダシに自分が満足感を得ることしか考えられないゴミはさぁ……」

 彼女の手に持ったライフルが、下から喧噪と共に見上げる民衆へと向いた。
 顔に浮かぶは狂気、そして嘲笑。もはや彼女が何を撃とうとしているかなど考えるまでもない。

「――パーティーの前に片付けちゃおうかぁッ!?」
「――ッ!!」

 殆ど反射だった。
 人生で初めての高速切替(ラピッドスイッチ)を芸術的に成功させた私のライフルから発射された三点バーストの弾丸がルマリーさんのIS非展開部分に命中し、彼女のライフルの銃口が僅かに海へと逸れた。

 瞬間、町と町の隙間のような海に十数個の水柱が立ち上り、間をおいて下がパニックに陥った。

「撃った!撃ったぞ!?どうなっている、パフォーマンスじゃないのか!?」
「イタリア軍じゃないぞ!?片方はリヴァイブだ!!フランスのテロリストか!?」
「おい、どけ!!逃げるぞ!!こんな場所にいたらミンチにされちまう!!」
「どっちが犯罪者だよ!」
「先に撃ったのはリヴァイブだぞ!!」
「馬鹿言いなさんな!!下に撃ったのはあの銀色だよ!!」
「ロドニー!!ロドニー、どこに行ったの!?」

 阿鼻叫喚の民衆たちの頭上で、私は考えることすら忘れそうな程夢中になって瞬時加速で突っ込み、ルマリーさんに肉薄した。

 この人はヤバイ。IS世界でも人殺しを厭わない人は
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