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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三五幕 「クラッシュ・パフォーマンス」
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 これから起きる殺人事件、というのは、いわゆる宣戦布告というか……殺害予告と捉えていいのだろうか。こんな綺麗な女の子から「お前を殺す」と言われても現実味なんか皆無な筈なんだけど、この場に広まる空気が私の安直な印象に「違うな、間違ってるぞ!」と告げている。

 悪意――それは人間にのみ抱くことができる、途方もないまでの狂気。

 考えてみれば私が今まで出会った敵というのは漆黒の遊星G(※ゴキブリです)とか無人機っぽい何かとか同級生とか暴走ベルくんとか……なんというか、相手を殺してやろうという程に強い意志や敵意を持たない存在ばかりだった。
 所謂原作における亡国機業の人みたいな殺人を厭わない人の纏う気配に、私は身が竦んで動けなくなる――とマズイなぁ、と思い、瞬時にISを展開して、最後のガラスをぶち破りその場を逃走した。

「これぞ我が逃走経路!!」
『我がも何も唯の最短距離では?』

 ちなみに展開しているのは特例で学園から拝借出来たラファールちゃんだ。一応ながらトーナメント時代に持たせた武装なんかも入っているが、それなら何故アルキミアを使わないの?という話になる。
 理由は簡単。あれに乗っているのが私だとバレるのが死ぬほど恥ずかしいからです。

 町の空に突如現れ高速飛行するラファール。しかし、不幸なことに、そしてなんとなーく予想出来ていた通り、その飛行に現地の軍より速く追い縋ってくる機影が一つ。姿を確認するより早くロックオン警告。咄嗟にバレルロールで回避した私の眼下を徹甲弾が掠めていく。

「あっぶな……!!」
『敵のIS展開を確認、情報を解析します』

 肝が冷える実弾射撃を潜り抜けてやっとルマリーさんの展開するISの全貌が明かされる。

 そこにあったのは、銀色のインフィニット・ストラトス。
 神聖なる銀は昔から魔除けや毒を見分けるものとして何かと重用されてきた。しかし佐藤さんの瞳に映るそのISは、美しい筈なのにどこか攻撃的な威圧感を発している。

 手に握っているのはISの装飾に合わせてカスタムされたライフルだ。原型はよく分からないが、目を引くのは銃身の上下についた銃剣(バイヨネット)である。もはや銃に剣がついているというよりは槍に銃の機能もつけたと言われた方が納得のいくむき出しの攻撃性が伺える。
 非固定浮遊部位にはチベット仏教の法具であるヴァジュラの形状を想起させるスラスターが付き、全身の装甲がやけに大人しいデザインなのが逆に不気味さを煽る。多分だけど、あれはまだ真の姿じゃないんだと思う。それが証拠にレーイチくんの簡易解析の結果によると装甲のあちこちに「仕込み」らしきものがあるという。
 と、ルマリーさんがわざとらしくオープン回線で話しかけてくる。

「ふーん……教務補助生だからISも持っ
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